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[新人戦]「九州で満足しないように」長崎総科大附の新主将、DF田中はリーダーとして、選手としてさらなる高みを

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長崎総合科学大附高DF田中純平主将(10番)は九州優勝で満足することなくレベルアップすることを誓った

[2.13 九州新人大会決勝 長崎総合科学大附高 3-1 神村学園高 佐賀県総合運動場陸上競技場]
 
 名将・小嶺忠敏監督も人間性を認める新主将、DF田中純平(2年)は九州タイトル獲得に安堵の表情を見せた。「周りから県で優勝するのは当たり前と見られていますし、去年はプリンスリーグで優勝して、九州総体でも優勝して、九州でも結果を残さないといけないという中で今回優勝できたことはホッとしています」。

 まだまだ本格強化開始から10年にも満たないが、昨年は九州2冠。長崎総合科学大附高は今や九州を代表する強豪の一つに数えられている。「『去年までの成績は関係ないとみんなに言いましたし、今年は今年で結果を残さないと去年までの結果にすがっていたら何も残らない』と言っていました」と田中が説明するように、昨年の成績は関係ない。自分たちは挑戦者として目の前の試合に勝つことだけに集中しているが、先輩たちが残した結果、周囲の期待の大きさを理解しているだけに田中は重圧も感じていたようだ。だからこそ、長崎、九州を制したことを素直に喜んでいた。

 ただし、喜んでばかりもいられない。自分たちの目標は全国で勝つこと。準決勝終了後に「九州で満足したらいけないチームになってきている」「全国1位を目指してやっていかないといけない」と語っていた田中は決勝後に改めて「自分だけじゃなくて、部員全員にそういう目標を持って欲しいですし、九州で満足しないようにやっていきたいです」と力を込めた。

 田中は小嶺監督から人間性について「申し分ない」と評価され、新チームの主将に任命された。主将就任については1年前からすでに“内定”していたというが、当初は「冗談だと思っていた」という。それでも1年後へ備えて準備を開始。前主将でこちらも小嶺監督から人間性を絶賛されていたMF薬真寺孝弥(3年)の背中を見ながら自分がリーダーとしてどうあるべきかを学んできた。

「自分は先頭に立ってやっていかないといけない人間だと思っているので私生活の部分とかでみんなのお手本にならないといけないと思っている。去年いい背中を見せてもらっている。自分は自分なので、意識しすぎないようにもしています。自分はそんな上手いプレーヤーじゃないので、雰囲気良くして、背中で引っ張っていけたらいいと思います」

 今回はU-18日本代表の絶対的エース、FW安藤瑞季(2年)不在の中で危機感を持って戦い、九州タイトルを勝ち取った。今大会、安藤に代わって10番を背負った田中は本来のボランチではなく、リベロとしてチームを支え、堅守の中心として優勝。その田中はリーダーとしてだけではなく、プレーヤーとしてもここから成長しなければならないと感じている。

「チームをまとめるというのはまだまだな部分が多いと思うんですけど、これから戦う上でもっとできる部分を増やしていきたいと思っています。声もまだまだ足りないですし、プレー面でも、例えば自分にパスを預けられたら味方が一安心できるようなプレーヤーにならないといけないと思っていますし、チームに絶対的な安心を与えられるようにしたいです」。まずはリーダーとして重責を全うすることに集中。そして選手としても絶対にレベルアップすることを目指して1年を過ごし、笑顔で来冬の全国大会を終える。

(取材・文 吉田太郎)

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