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“02ジャパン”発足後初の練習試合は午前よりも午後!1日2試合で成長の跡示す

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清水桜が丘戦1本目、U-15日本代表候補はFW須藤直輝のゴールで先制

 “02ジャパン”が発足初の練習試合で連勝! 2002年生まれ以降の選手たちで構成されたU-15日本代表候補が、19年のU-17W杯を目指して始動。16日から初の候補合宿を静岡県内で行っている。18日にはともに静岡県を代表する名門校の清水桜が丘高、静岡学園高とチーム発足後初の練習試合を実施。午前に行った清水桜が丘戦は35分×3本で午後の静岡学園戦は40分×3本、対戦相手はいずれもベストメンバーではなかったが、U-15代表候補の選手たちにとって1、2学年上の世代に当たる新2、3年生を中心に構成されており、腕を試すには絶好の場となった。
 
 その中で彼らに求められたのは普段通りのプレーだ。有馬賢二監督は「関わり続けることや労を惜しまないでボールを奪うに行くこと」を最低限のプレーとして選手たちに求めた上で、「疲れたから出来ないのであれば、(力が)足りないということになる。どのような状況でもクオリティを出すこと」を要求。前日までの練習で疲労が溜まっていたが、現状でのベストパフォーマンスを見せられるかがポイントになった。

 指揮官からミッションを課せられた選手たちは、一戦目の清水桜が丘戦から期待通りのプレーを披露する。疲れを感じさせないアグレッシブな動きで試合の主導権を握ると、幾度となく好機を演出。1本目こそ得点を奪えなかったが、2本目15分にFW須藤直輝(大宮ジュニアユース)がネットを揺らした。その後も中盤でボールを奪うと、素早く速攻を仕掛けて試合を優勢に進める。3本目に入っても、U-15代表候補の勢いは衰えない。12分にFW吉田有志(C大阪U-15)が加点して2-0で試合を終えた。

 そして、2試合目の静岡学園戦は午前の疲れを抱えた中で行われたため、午前以上にタフな試合となったが、選手たちは開始早々から積極的に攻撃を仕掛ける。清水桜が丘戦同様に球際で競り勝つと、シンプルに縦を突いて相手を脅かした。1本目15分にMF近藤蔵波(C大阪U-15)の一撃で先手を取り、26分には須藤の2試合連続となるゴールで加点。これで完全に波に乗った“02ジャパン”は2本目も果敢に得点を狙い、終了間際に2失点を喫したものの4ゴールを加えた。3本目に入ると相手に攻め込まれる場面が多くなったが、MF西川潤(横浜FMジュニアユース)とFW池端今汰(磐田U-15)がネットを揺らした。終盤に1点を返されたが、終わってみれば8-3の圧勝。指揮官の要求に応えるプレーを随所に見せ、フィジカル面で優位に立つ高校生チームに対して2連勝を飾った。

 午前中から躍動感のある動きを見せ、午後のゲームでも期待に応えた“02ジャパン”。シュート数でも相手を圧倒した内容に有馬監督も、「体力的に苦しい状態の中で彼らは求めているモノを出してくれた」と頬を緩ませた。ただ、それ以上に素晴らしかったのが選手たちの自主性だ。上の世代の代表チームで活動した経験を持つ選手がほとんどいないため、今合宿中は遠慮がちな姿勢がピッチ内外で見られていた。

 例えば、この日の午前に行った活動を締めくくるミーティング。最後に言葉を発する者を挙手で募ったが、志願した選手は僅かに1名。それでも、同様の形で午後の活動後に手を挙げさせると、一気に8名のプレーヤーが名乗り出た。指揮官も「自分がチームの一員で自分がやるという気持ちを持ってもらいたい。チームのためにやることがベースにあるので。その中でリーダーシップが取れる選手が出てくるのは良い傾向」と彼らの変化を感じ取る。その点に関して、選手たちも手応えを口にした。この2試合で主将を務めた西川も「やっぱり午前と午後の試合で違った。午後はみんなでコミュニケーションを取ることで緊張がほぐれてきた。チームとして良い形になったと思う」と語っており、この1日でチームが成長したのは確かだ。

 練習試合で今後に繋がる経験を積んだ選手たち。合宿最終日となる19日も藤枝明誠高、浜松開誠館高と練習試合を行う予定だ。この1日で学んだ自主性とタフさが次のゲームでも発揮されれば、4日間の合宿はより有意義なモノとなる。19年に世界で舞うことを目指す彼らのプレーに期待したい。

(取材・文 松尾祐希)

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