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[MOM431]関西選抜DF大野佑哉(2年)_出番なかった前大会の悔しさ、関西の盛り上げ役がヒーローに!

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決勝点を決めた関西選抜DF大野

[2.19 第31回デンソーカップチャレンジサッカー刈谷大会 関東B・北信越1-2関西 刈谷]

 関西選抜の盛り上げ役が一躍ヒーローとなった。関西選抜は関東B・北信越選抜に2-1の逆転勝利。前回大会に続く優勝は逃したものの3位で大会を終えた。決勝点となったのは後半11分にFKからDF大野佑哉(阪南大2年=山梨学院大高)が頭で決めたもの。なかなか出番に恵まれず、盛り上げ役に徹していたが一仕事やってのけた。

 大会3日目に迎えた3位決定戦。関西選抜はここまで出番の少なかった選手を中心に起用したため、大野もCBとして初先発。前半15分に関東B・北信越に先制されたが、後半8分に1点を返すと3分後、そのときはやってきた。右サイドで得たFKをルーキーMF山本悠樹(関西学院大1年=草津東高)が蹴り入れ、ファーサイドからまくるように走り込んだ大野がPA正面からヘディングシュートを叩き込んだ。

「流帆(菊池)とかがいたので、身長があまり大きくない人が僕のマークについてきて、1対1だったら勝てるなと思った。前めのボールだったんですが、当たった瞬間にこれは来たなと思いました」。渾身の一撃がゴールネットを揺らし、ベンチ前の仲間の下へ一目散。喜びを爆発させた。その後はCBとしての仕事を全う。最小失点に抑え、2-1で逃げ切り勝利を引き寄せた。

 殊勲のDFは「めちゃくちゃ最高ですね。今年もなかなか試合に出してもらえなくて。去年と同じくチームを盛り上げる役みたいなことをやっていて、それはそれですごく楽しいし、チームのためになるならとやっていたんですけど。試合に出て活躍したいなと去年出れなかったときからずっと思っていたので。やっとこういう形で結果に出たので良かったです」と笑顔を弾けさせる。

 前回大会ではMF外山凌(現・水戸)がインフルエンザで離脱したため、緊急招集。大阪から宮崎へ単身乗り込み、大会2日目から参戦したが出番ないままに終えていた。盛り上げ役として関西の優勝に貢献し、充実感を口にしていたとはいえ、やはり胸のうちには「試合に出て活躍したい」というものがあった。そして2016シーズンは阪南大のCBとして、関西制覇やインカレ4強に貢献。今大会では“追加招集”ではなく、初めから関西選抜メンバー入りを果たした。

 だが簡単に出番はやってこない。今大会初戦の東海選抜戦(3-0)ではベンチスタート。後半25分からCBではなく右SBで途中出場し、待望のピッチを踏みしめたが時間は長くなかった。大会2日目の関東A戦は出番なし。そして迎えたのが関東B・北信越戦。初先発を飾ると決勝点を決めた。

 大会を振り返ったDFは「選抜の練習試合や今大会でも、右SBをやることがあって、プレーの幅が広がったなというのと、SBもできるんだぞと。攻撃はあまり得意ではないですけど、守備の部分だったら自信を持てるようになりました」と手応えを語りつつ、「優勝を目指してやっていたし、個人としては不完全燃焼。もっともっと信頼される選手にならないといけない」と表情を引き締める。

「練習試合とかからスタッフが僕を使わなかったのは、波があると感じたからなんじゃないかなと自分で感じていて。自分で言うのはなんですが、いいときは一番できるんじゃないかなと言うのもあったし、けど悪いときは本当に悪かったので……。いつでもこういう風にできるんだとならないと、この先ずっと使い続けてもらえる選手にはなれない」

 ベンチから声を張り上げてはチームを盛り立ててきた大野だが、今後はそこを脱却。ピッチ内でチームを盛り上げていきたいところ。「試合に出ないで盛り上げるのが多かったんですけど、来年は試合に出ながら盛り上げて、チームを引っ張っていけるように。キャプテンとかもやったら、自分の成長にはつながるんじゃないかな、まずは来年も選ばれるように頑張ります」と誓っていた。


(取材・文 片岡涼)
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