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「真面目に一生懸命やる子が多い」西武台、桐光学園に会心の勝利

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後半アディショナルタイム、西武台高はFW吉野翼が5点目のゴール

[2.25 JYPSL 西武台高 5-0 桐光学園高 西武台高G]

 25日、高校年代の強豪47チームが参加して強化・育成を図る「ジャパンユースプーマスーパーリーグ」(JYPSL)で西武台高(埼玉)と桐光学園高(神奈川)が対戦。西武台が5-0で快勝した。

 この日指揮を執った黒岩宏明コーチが「真面目に一生懸命やる子が多い」と説明する西武台が会心の試合運びで強豪対決を制した。今年1月のニューバランスカップ(通称裏選手権)で優勝している西武台はこの日、負傷のCB美川笙乃主将らを欠いた陣容だったが、前半30分に相手オウンゴールで先制。その2分後には相手のミスパスを奪ってから攻め込み、最後は左SB三田光希がカットインから決めて2-0とする。畳み掛ける西武台はさらに35分にもこぼれ球を右SB小室佳祐が決めて3点差とした。

 一方の桐光学園は新チームのエースストライカー、FW倉持快が肘の負傷で離脱中。スピードあるショートパスを連続で繋ぐシーンも幾度かあったが、前掛かりになったところでの横パスやくさびのパスを西武台に狙われて奪われ、カウンターを受ける展開となった。この日、指揮を執った石橋清一コーチは「自分たちのミスパスからカウンターを受けてしまっている。ボールを失わない、局面局面の厳しさ、2つが課題になりました」と指摘する内容。1つ奥側の選手へのパスから前向きの選手を作るといった連係も少なく、攻撃のスピードを上げて打開するようなシーンを増やすことができなかった。

 西武台は「相手はDFとか強いチームなので、今週はそれには負けないという目的で練習やっていました。それが全面に出ていたのかなと思います」と振り返るMF清野昂大やMF木戸洋斗らがボールを奪い、後半も良い形でのカウンターやMF板橋涼太とMF宮田輝の両翼を活かしたオープン攻撃へ持ち込むと8分に追加点。左クロスをファーサイドで粘って折り返し、これをFW秦丈司が右足ダイレクトでゴールへ押し込んだ。

 桐光学園もMF阿部龍聖の右足ミドルやMF田中雄大のダイレクトボレー、田中のスルーパスからFW佐々木倫忠が放った決定的シュートなど相手ゴールを脅かすシーンをつくり出したが、GK高麗稜太の好セーブにあったほか、CB小納健太とCB黒木謙吾中心に守備網を築いた西武台から1点を奪うことができず。逆にMF小林一貴がクロスバーを叩く右足ミドルを放つなど攻める西武台はアディショナルタイム、MF大塚悠平とのパス交換からFW吉野翼が右足ミドルをゴール右隅に突き刺して5-0で快勝した。

 全員攻撃全員守備を徹底し、局面での戦いでも勝っていた西武台。県新人戦での準決勝敗退から新しいスタートを切ったチームにとって自信を得る試合となった。秦は「練習から一生懸命で、紅白戦でもみんなが『絶対に勝つ』という気持ちでやっているのが試合に繋がっている」。個々の一生懸命さを実感できる集団になり、それが結果に繋がっていることを強調していた。

 また、ゲーム主将の清野は「みんなが言ったことに対して返事返してくれたり、自分の意見も言えたりする。リーダー格の選手が結構いて助かっています」とまとまりの良さについて説明する。黒岩コーチが「集団として見たら現時点で良くまとまっていると思います。でも、こじんまりとまとまって欲しくはない。意見を言い合いながら、競いながらやってもらえれば」と期待するように、現状に満足することなく、チームワークが良いからこそ意見をぶつけ合い、お互いを高め合って埼玉、全国を勝ち抜くチームになる。

(取材・文 吉田太郎)

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