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開幕スタメンも“ビビった”千葉MF高橋壱晟「最後は悔しさが出てきた」

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ルーキーながらも開幕戦フル出場を果たしたジェフユナイテッド千葉MF高橋壱晟

[2.26 J2第1節 町田0-1千葉 町田]

 予感はあった。そして、加入が決まったころから準備をしてきた。青森山田高からジェフユナイテッド千葉に加入したMF高橋壱晟は、ルーキーながらも開幕戦のスターティングメンバーに名を連ね、90分間をピッチ上で戦い抜いた。

 昨年6月に千葉への加入内定が発表されたころから、高橋は「開幕スタメンを目標に、開幕から先発で試合に出る準備をしてきた」。千葉の一員としてキャンプ、トレーニングをこなし、ニューイヤー杯では先発を任されたこともあり、「少しずつ自分(が先発で出れる)かなと思っていた」。そして、見事に開幕スタメンの座を手に入れた。

 ルーキーの抜擢ということもあり、チームメイトからは多くの言葉を掛けられたようで、リラックスして試合に臨めたようだ。「羽生(直剛)さんからは『皆、緊張するんだから。俺でも緊張するんだし』と言われました。自分はまだ最初だから思い切ってやるだけだった」。だが、いざ試合に入ると「思い描いていたようなプレーはできなかった。そんな簡単にはいかないです」と苦笑するしかなかった。

 特に前半はボールに絡む回数が少なく、持ち味の一つでもある前線へのダイナミックな飛び出しは見られない。本人も自覚しているようで、「自分の中でちょっとビビッてしまったというのはある。そこは反省です」と語る。しかし、試合途中にフアン・エスナイデル監督から「もっとできるはずだ」と檄を飛ばされると、徐々に組み立てに関わる回数を増やしていった。

 目標であった開幕スタメンを飾り、フル出場を果たしたことは「楽しめたし、良かった」と振り返りつつも、「最後の方は悔しさが出てきた」と思い通りのプレーができなかったことに悔しさを滲ませる。「サイドで抜かれた場面もあるし、自分のマークがズレて危ない場面も作られた。自分からボールをもっと受けにいかないといけないし、攻撃を組み立てて最後は自分が出て行くという形を出していきたい」。

 反省ばかりが口を突き、指揮官も「ハードワークをしてくれたが、持っている輝きは放てなかったかもしれない」と高橋のパフォーマンスを振り返る。しかし、それも期待の裏返しだろう。開幕スタメンで起用したことでも分かるように、エスナイデル監督は「素晴らしい選手だし、個性も強い」と評価している。「まだまだ、これからです」と語るルーキーは次節以降、本来の輝きを放つためにも成長を続けていく。

(取材・文 折戸岳彦)
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