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「試合が分断された」黒星スタートの松本・反町監督は主審に恨み節

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アウェーの三ツ沢に大挙して押し寄せた松本山雅サポーター

[2.26 J2第1節 横浜FC1-0松本 ニッパツ]

 終始、憮然とした表情だった。昨季のJ2で3位に入りながらJ1昇格プレーオフ準決勝で敗れ、1年でのJ1復帰を逃した松本山雅FC。J1再昇格が至上命題のシーズンは、しかし2年連続の黒星スタートとなった。

 試合後の記者会見。横浜FCのFW三浦知良が50歳の誕生日に開幕戦を迎えたとあって会見場を埋め尽くした多くの報道陣を前にして、反町康治監督は「カズについてしゃべればいいのか、試合の総括を言えばいいのか」と皮肉交じりに切り出した。

「自分たちの持っている力を出せたかというと、残念ながら出せていなかった」。そう率直に振り返ると、「試合がいろんな意味で分断された。アクチュアルプレーイングタイムが長くない試合だった」と、その要因を挙げ、高山啓義主審のレフェリングに疑問を呈した。

「うちだけイエローカードがたくさん出て、向こうに出なかったのは正解かどうか。今日は我々の試合ではなかったと認めざるを得ない」。松本には警告4枚が出たのに対し、横浜FCはゼロ。試合全体を通して松本に厳しい判定が多かったと指揮官は指摘する。

 前半16分という早い時間に先制を許したことも試合を難しくした。引いて守る相手を攻めあぐね、単調な攻撃に終始。「前半、相手のGKが普通にキャッチしていることが多かったのは、我々が工夫なく攻めていたから。“捨てクロス”になっていた。意図のない攻撃をしてしまった」と、拙攻を悔やんだ。

 相手の背後を狙うようなシーンもなく、「裏を簡単に突けるのは今のJ2では千葉戦ぐらい。向こうも簡単にGKと1対1にならないような守り方をしている」と、あらためてJ2の戦いの難しさを口にした。「持っている力の3分の1も出せないようでは勝てない。省エネで勝てるチームではない」。泥臭く相手に走り勝つ“山雅らしさ”を見せられず、「試合内容にも審判にも苦しめられる。またつらい1年かなと」と自嘲気味に笑った。

(取材・文 西山紘平)

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