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[東京都1部L]序盤に攻撃力炸裂の國學院久我山が開幕2連勝!後半は東京武蔵野シティFC U-18に主導権握られるも屈せず

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前半14分、{c|國學院久我山高}}はMF三富嵩大が右足シュートを決めて2-0

[2.26 T1リーグ第2節 國學院久我山高 2-1 東京武蔵野シティFC U-18 國學院大学たまプラーザキャンパスG]

 26日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017 東京1部(T1リーグ)第2節で15年度全国高校選手権準優勝の國學院久我山高と13年T1リーグ優勝の東京武蔵野シティFC U-18(旧横河武蔵野FCユース)が対戦。國學院久我山が2-1で競り勝ち、開幕2連勝を飾った。

 立ち上がり、國學院久我山の攻撃力が炸裂する。2分、右SB内田祐紀弘(2年)の右CKをマークを外して中央へ飛び込んだFW宮本稜大(1年)が頭で合わせて先制点を奪った。その1分後には右中間のスペースへ走り込んだ宮本の右足ボレーが左ポストをクリーンヒット。清水恭孝監督が「CFらしいプレー。彼はうちにはいないタイプのFW」と評する国体東京都選抜の10番が早くも会場中の視線を釘付けにした。

 一方、東京武蔵野シティFCはボールを奪うと、後方から繋いで押し返していたが、守備面ではポジションチェンジする國學院久我山の選手を捕まえ切れず、シュートまで持ち込まれてしまう。國學院久我山は要注目の左SB竹浪良威(1年)が高い位置を取って相手を押し込み、活動量の多いMF木下陽(2年)が相手を振り回すと14分、竹浪を起点とした攻撃から木下が巧みにDFを外してラストパス。縦への動きでDFを振り切ったMF三富嵩大(2年)が右足シュートを決めて2-0とした。

 この一週間、守備の部分に注力してきたという東京武蔵野シティFCにとっては痛恨の2失点。ピッチ内では仲間から「アタックしろ!」という声が何度出ていたが、寄せきれずに久我山の技にマークを外され、アタッキングエリアへ入り込まれてしまっていた。

 だが、杉浦史浩監督が「2回、目覚ましが鳴ったという感じ」という2失点目を喫した後に東京武蔵野シティFCがようやく目覚める。18分には前線で健闘していた188cmFW高橋理人(1年)がボールを収めると、抜け出したFW中村亜門(2年)が右足シュート。そして互いに自陣のセカンドボールを拾い合うなど拮抗した展開のまま迎えた45分、東京武蔵野シティFCは左SB和田朋也(2年)がPAへ入れたボールを右サイドから走り込んでいた中村が落とし、最後はPAへ潜り込んだMF倉田一輝が右足で決めて1点を返した。

 後半は東京武蔵野シティFCが攻守で主導権を握る。和田やMF古宮由視(2年)を起点にボールを動かし、MF猪股直希(2年)や倉田が鋭い突破。そしてシュート数を増やした。國學院久我山の交代出場FW永藤楓(2年)にサイドを幾度か破られるシーンこそあったものの、CB猿渡菖汰(2年)とCB瀬沼ラシード勲太(2年)を中心とした守りで簡単にはPAへの侵入を許さない。

 國學院久我山は相手のプレッシャーをかわす判断からか、サイドや前線へ長めのボールを多用。ただし、清水監督が「サイドのパス交換はあったと思うんですけど、中を使ったパス交換というのが少なかった」と指摘したように、ボランチを経由するような攻撃が少なくなってしまい、なかなかリズムに乗ることができなかった。

 特に後半は我慢する時間の多かった國學院久我山だが、それでも1年時からゴールを守るGK平田周主将(2年)がゴール前で強さを発揮。平田は「去年から出ている選手が多くて、悔しい経験をピッチで経験していた選手が多かったので、今年はその経験とか悔しい思いをゲームでの粘り強さだったりとして表現していかないといけないと全員が感じていると思います。今年は後ろの粘り強さを強みにしていきたい。失点しなかったという部分でそれは出ていたと思います」と説明していたが、平田と同じく1年時から主軸の上加世田達也(2年)と中野英寿(2年)の両CBを中心としたDF陣がPAを攻略しようとする相手の前に立ちはだかった。東京武蔵野シティFCは後半アディショナルタイムに連続攻撃からPAやや外の10番MF中川海(2年)が右足ボレー。だが、クロスバーを叩いて直後に試合終了の瞬間を迎えた。

 東京武蔵野シティFCの杉浦監督は「攻撃も守備もやろうとしていたことは少しできたかなと思いますけれども、それが結果に結びつかなかったので」と無念の表情。一方の國學院久我山・清水監督は「あまりにもゲームコントロールができなかったというのはありますね」と指摘したが、「1年間ずっと自分たちの試合ができることはないと思っているので。苦しい試合が2節目に来たのかなと思っています」と悲観はしていなかった。

 昨年、國學院久我山はT1リーグで優勝した成立学園高と同勝ち点ながらも得失点差で2位。平田が「自分たちが支配出来ているわけでも、ゲームをコントロールできている感じもなかったので、あまりいいゲームではなかった」と振り返ったこの日のような内容の試合を続けるつもりはもちろんない。まだまだ少ない國學院久我山らしいポジショニングと状況判断の良さ、そして個性を選手たちは磨くこと。そしてこの日、苦しい展開でも勝ち切ったことを前向きに捉えて、次戦に臨む。

(取材・文 吉田太郎)

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