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スペインに翻弄された90分…なでしこは代表デビュー長谷川のアシストから横山が1点返すも及ばず

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なでしこはスペインに1-2ながらスコア以上の完敗となった

[3.1 アルガルベ杯GL第1節 日本女子1-2スペイン女子]

 アルガルベ杯は1日、グループリーグ第1節を行い、日本女子代表(なでしこジャパン)はスペイン女子代表と対戦し、1-2で敗れた。黒星スタートとなり、高倉麻子監督体制の初白星はまたもお預け。なでしこは3日の第2節でアイスランド女子代表と対戦する。

 なでしこのフォーメーションは4-2-3-1。ゴールマウスにGK山根恵里奈を据え、4バックは右からDF鮫島彩、DF高木ひかり、主将DF熊谷紗希、A代表デビューとなるDF北川ひかる。MF阪口夢穂とMF佐々木繭がダブルボランチを組み、2列目は右からMF中島依美、FW増矢理花、MF中里優。1トップにはFW田中美南が入った。

 最新のFIFAランキングはなでしこが7位でスペインは14位。しかし、高倉監督体制初の国際大会となるなでしこは、立ち上がりからスペインのパススピードに苦戦する。攻守の切り替えの早さでも上回られ、マイボールにしても敵陣にすら運べないまま押し込まれる時間が続いた。

 スペインは前半13分のDFレイラが放った左足のロングシュートはクロスバーをわずかに越え、同21分にPA手前中央からMFアレクシアが左足で狙った直接FKは壁を直撃。なでしこも同24分に左サイドの北川のパスを受けた中里が敵陣中央で右足を振り抜くが、ようやく放ったファーストシュートはDFの足に当たって山なりとなり、GKにキャッチされた。

 なでしこはさらに前半31分、右サイドをドリブルですり抜けた中島がPA内右からマイナスにパスを出し、ニアの増矢が左足で合わせるも、相手DFが至近距離でブロック。続く右CKのチャンスも生かせず、その後は再びスペインにゴールを脅かされるシーンが続いたが、なんとか無失点に抑えて前半を終えた。

 劣勢のなでしこはハーフタイム明けから動く。佐々木に代えてA代表初出場のMF長谷川唯、増矢に代えてFW横山久美を投入し、4-4-2に変更。横山は増矢がいたトップ下ではなく田中と2トップを組み、長谷川は左サイドハーフに。左サイドハーフだった中里は、佐々木がいたボランチにスライドした。

 選手とシステムを変えて仕切り直しを図りたいなでしこだったが、後半の立ち上がりにいきなりピンチを迎える。後半5分、バウンドしたボールに反応したFWオルガが右足でミドルシュートを放つと、ボールがGK山根とクロスバーに連続で当たって肝を冷やしたが、ゴールラインは割らなかった。

 なでしこは後半12分、阪口のスルーパスから横山が完全に抜け出すも、ギリギリでオフサイド。同13分には2トップの連携で守備を崩す。前線でキープした横山がパスを出し、受けた田中が力強い突破でPA内左に進入し、左足でシュート。しかし、威力が足りずにゴールは奪えなかった。

 徐々にペースをつかみ始めたかに見えたなでしこだったが、その矢先に失点。スペインは後半14分、左サイドのDFマピからのスローインをMFメセゲルがフリーで受け、PA手前左から右足でシュートを放つ。ワンバウンドしたボールがGK山根の手を弾いてゴール左に決まり、スペインが先制した。

 畳み掛けるスペインは後半26分に追加点を奪う。熊谷のバックパスからGK山根が前に大きく蹴り出すと、オルガがカット。そのままPA内左に持ち込み、左足でシュートを放つ。スライディングでブロックしようとした熊谷の足に当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。

 なでしこは0-2の後半28分、中里との交代でMF宇津木瑠美を投入。宇津木はそのまま阪口とのダブルボランチを務めた。

 すると後半36分、なでしこに待望のゴールが生まれる。敵陣に入ったところで田中が左横の長谷川につなぎ、受けた長谷川は素早く右足アウトでスルーパス。裏へ抜け出した横山がGKとの1対1を制し、確実にネットを揺らした。

 さらに後半41分には右サイドのスペースで受けた中島がドリブルで運び、PA内右で左足に持ち替える。中島がシュートと見せかけて緩いクロスを送ると、ファーで受けた田中が左足でフィニッシュに持ち込むが、相手DFがブロック。同42分にCKの流れからPA内左で横山が放った強烈な右足のシュートもGKの正面を突き、同点には至らなかった。

 なでしこは後半43分に4人目の交代。田中に代えてFW籾木結花がピッチに送られ、A代表デビューを果たした。2トップの一角に入った籾木ら攻撃陣は最後までゴールを目指したが、あと一歩及ばず1-2で試合終了。2年ぶりの出場となるアルガルベ杯は黒星スタートとなった。


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