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[東京都1部L]「練習の質が試合に繋がってくる」実践学園が磨いた連係、チャレンジを結果に結びつけて強豪連破

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実践学園高MF浦寛人

[3.4 T1リーグ第3節 実践学園高 2-0 駒澤大高 実践学園高尾G]

 関東一高を突き放して3-0で勝利した前節に続き、今節は駒澤大高に2-0快勝。今冬の全国高校選手権に出場した2校を連破した実践学園高の深町公一監督は「ゲームを通じて色々なことがチャレンジできている。結果もついてきている」と頷いた。

 ストッパーのDF斎藤彰人(2年)は序盤こそ、駒大高FW秋遼太郎(2年)の高さに苦戦しながらも、徐々に本領を発揮して後半は空中戦を制圧。それでも、チーム全体を見ると、個で差をつけるような選手が多い訳ではない。

 また、相手のプレッシャーの前に簡単にボールを離してしまい、攻撃が停滞するような時間帯もあった。だが、実践学園はセットプレーで先制し、後半7分にはFW重枝俊亮(2年)とFW前原龍磨(2年)のコンビネーションで鮮やかに追加点。深町監督が「(高校生はなかなかFW)2人の関係性が5とか10になることがない。単体で動いちゃうから融合ができないです」という中でFW陣が見事な連係を見せた。加えて、この日はボランチとして先発したMF浦寛人(2年)が後半途中から左サイドへ移って勝利に貢献するなど実践学園は選手の配置や布陣も変化させながら強豪を上回った。

 本来CBでボランチに挑戦中の浦は中盤で駒大高の高さに対抗する面で効果を発揮。ボールを動かす部分など課題に感じている部分もあるが、守備バランスを高めるなどそのポジションでチームにプラスアルファをもたらそうとしていた。浦は「新しいポジションをやると違う角度から見えて気づくことがある。全力でやっていきたい」と意気込み、指揮官も「彼は賢くチームのバランスを取ったりできる。そういう面でチームのために動いてくれる選手」と語り、我慢強く起用していく方針を口にしていた。

 187cmGK成田雄聖(2年)と183cmGK水谷優希(2年)がハイレベルな争いを見せるGKなど実践学園はポジション争いは熾烈。トレーニングも非常に意識高く行われているという。浦が「練習も雰囲気悪かっただけで止めてミーティング入れたりしている。練習の質が試合に繋がってくると言われている。厳しくやっています」と説明するように、声が出ていなかったり、球際の緩さが見えたりした際には主将のDF尾前祥奈(2年)やコーチ陣がメニューをストップしてピッチの中で緊急ミーティング。練習から良い緊張感を持って過ごし、個々の高い意識が結果に結びついている実力派が、目標の東京4冠へ、今後もチームの成長と結果の両方を求める。

(取材・文 吉田太郎)

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