beacon

いわきFCのキーマン!10番MF平岡将豪「自分が引っ張っていく」

このエントリーをはてなブックマークに追加

いわきFCに完全移籍、今季より10番を託されたMF平岡将豪

 株式会社ドーム(アンダーアーマー、DNS)の全面サポートを受けて強化を進めるいわきFCは、爆発的なスピードで進化を続けている。

 今季のチームで背番号10を任されたのは、昨年よりAC長野パルセイロからレンタル加入し、今季より完全移籍するMF平岡将豪だ。オフには複数の選択肢があった中で、いわきFCへの完全移籍を決断した。いわきFCのキーマンを直撃した。


―昨年6月にレンタルで加入してもうすぐ1年が経とうとしています。いわきでの生活には慣れましたか?
「だいぶ慣れましたね。最近の休みは引っ越し先を探したりとか、車を買い替えようかなと思っているので、車を探したり。楽しみながらの生活ができてきたかなと思います」

―いわきFCでは物流センター「ドームいわきベース」で働きながら、サッカーを続ける生活です。
「18歳で長野に入団した1年目もアマチュア契約だったので、(同じ契約だった)都並(優太)くんと一緒に陸送会社に週2で行って働いていました。その経験があるからか、こっちの生活も楽しんでできています」

―今季は長野から完全移籍を果たし、背番号も10番に変わりました。
「自分が引っ張っていく立場になるので、自覚を持ってやらないといけないなと思っています。今年は能力の高い新しい選手も入ってきて、いいレベルで競争する雰囲気があると思います。でも年齢は関係ないですし、期待に応えられるように頑張りたいです」

―福岡県出身の平岡選手ですが、中学から福島県のJFAアカデミー福島で過ごしました。福島県には特別な思いがあると思います。
「3年間やってきた土地ということはもちろんあります。いわきを東北一の都市にするという目標に貢献できれば恩返しになると思っています」

―東日本大震災の経験が思いを強くしているのではないですか?
「震災当日の記憶も鮮明に残っています。ちょうどその日は(中学校の)卒業式だったんですけど、(地震の瞬間は)僕は(学校より海に近い)いわき中央病院にいました。だから津波を間近で見てるんです。すぐに中学校のある高台に戻ったんですけど、横の駅まで水が来ていた。これどうなるんだろうという不安があったことを覚えています」

―高校3年間を静岡県で過ごすなど、大きく影響を受けた世代です。
「柏レイソルにいる小池龍太、清水エスパルスの金子翔太、湘南ベルマーレに戻った安東輝が同期生でした。みんな伸びている。一緒のチームでできたらいいねとは話しているけど、まずはそれぞれが結果を出していければいい。みんな頑張っているので、僕も負けられないなと思っています」

―平岡選手の身体を見ると、「日本のフィジカルスタンダードを変える」というコンセプトを掲げるいわきFCで相当鍛えられていると感じます。
「体つきはやっている分だけデカくなっているのかなと思います。オフにJクラブ、ベガルタ仙台やFC東京とトレーニングマッチをしたんですけど、当たり負けをしなかった。両チームとも1本目に主力選手が出ていたんですけど、やれないことはないと感じました」

―今年は全国社会人サッカー選手権(全社)枠での全国地域リーグ決勝大会出場、そして飛び級でのJFL昇格も現実的な目標になってくると思います。昨年の全社は準々決勝で結果的にJFLに昇格したヴィアティン三重に敗れる悔しい結果に終わりました。
「でも正直、去年の段階では三重に勝っていても厳しかったんじゃないかと思っています。同じメンバーで3日間、4日間やるのは結構しんどかった。今年はチームの底上げをしつつ、一発勝負の勝ちにこだわってやりたい。去年は最後のところで勝ちきれなかったけど、今年は運動量も上がってきたと感じる。そこを圧倒しつつ、技術的にも戦えるようにしていきたい。結構戦えるんじゃないかと思っています」

―Jクラブからのオファーを断ってチームに残留する選手や、JクラブよりもいわきFCを選んで入団する選手がいるなど、選手にもクラブにも多方面から大きな注目が集まっています。
「まわりのみんなからチームのことを聞かれることも多いです。それだけ注目度があるということだと思います。個人としてはチャンスを与えられたときに結果を出せるかどうかが大切だと思っています。チャンスは必ず来るので、それをいかにものにできるかを大事にしていきたいです」

(取材・構成 児玉幸洋)

TOP