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「カズさんを見てサッカーを始めた世代」、群馬GK清水慶記はキングへのゴール献上に悔しさ

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キングカズに50歳14日でのゴールを献上した

[3.12 J2第3節 横浜FC1-0群馬 ニッパツ]

 悔しさと尊敬と複雑な感情が入り混じっていた。ザスパクサツ群馬横浜FCに0-1で敗戦。前半39分、50歳FW三浦知良に決められたゴールが決勝点となり、黒星を喫した。

 50歳14日のJ史上最年長弾に盛り上がる裏では、失点したGK清水慶記は悔しさを募らせる。31歳のGKは「これを教訓にやっていくしかないですね……とにかく勝ちが欲しいです」と唇を噛んだ。カズの偉大なゴールは繰り返し映像で流され続け、それは清水の弾いたボールから失点したシーンが幾度なくさらされることを意味する。「そういう意味で本当に情けないです」とうつむいた。

 失点シーンは前半39分、FWイバのシュートを清水が弾くが、こぼれをカズに押し込まれた。後方からDFも迫り、正面では清水が待ち構えていたが、わずかな隙を突かれた。守護神は「自分が弾く位置にもっとこだわってやれれば良かった。ある程度(カズさんが)見えていたんですが、ボールをタッチラインに出せるような足の出し方をしたかった。上手く出せずに決められてしまった」と悔やんだ。

 31歳の清水にとって、カズは憧れの存在の一人。「僕自身がサッカーを始めたきっかけでしたし、Jリーグが開幕してカズさんがMVPを獲ってというのを見て憧れて、サッカーを始めた世代」と言うとおりだ。対峙してみては「勝負どころという部分や嗅覚、点を決める能力に長けているんだな」と痛感。さらには「日本の特別な日、3月11日に近い試合で結果を残すというところにもすごさを感じます」とキングのキングたる所以を目の当たりにして驚いていた。

 群馬はこれで開幕3連敗。守護神は「ここまで負けが込んでくると自信もなくなってきたり悪循環となる。早い段階で自信をつけられるようにやっていきたい。まずは次こそは勝ち点を取りたい」と誓った。

(取材・文 片岡涼)

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