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J史上最年長50歳弾、カズ「記録よりもFWとして点を取れたことが一番嬉しい」

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50歳14日でゴールを記録したカズ

[3.12 J2第3節 横浜FC1-0群馬 ニッパツ]

 50歳という記録より、FWとしての喜びを強調した。横浜FCのFW三浦知良ザスパクサツ群馬戦の前半40分に今季初ゴールを記録。自身の持つJリーグ史上最年長得点記録を50歳14日に更新した。キングは「年齢のことを言われますが、あまり記録は重要ではなくて。FWとして点を取れたことが一番嬉しい」と胸を張った。

「自分自身が毎日どういう気持ちでプレーできているか、どういうトレーニングをして、どこまで追い込めているかどうかが重要であって、ゴールはそういうことの結果」と話した50歳は「FWとしてゴールが一番自信につながる。チームの勝利に直結するプレーですから。そういう意味ではFWとして、いい自信になった」と“サッカー小僧”としての表情を浮かべた。

 前半39分、DF田所諒の左クロスからのFWイバのシュートをGK清水慶記が弾いたところ、カズがこぼれに反応。左足で押し込んだ。「あまり角度がなかったので難しかった。GKとDFもカバーに入り、あそこしかコースはなかった。左足でミートしようとしか考えなかった」という一撃はゴールネットを揺らした。これが決勝点

「貴重な1点で今日は勝ててよかった」と笑顔をみせた11番は「イバは必ずああいう局面でシュートを打つなど、ゴールへの意欲が強い。そういう意味ではいいポジションを取れたかな」と振り返る。

 開幕から3試合連続での先発となったこの日は、得点への予感もあった。前日行われた試合ではMF中村俊輔(磐田)が移籍後初ゴールを決めていたほか、ドルトムントのMF香川真司はアシストを記録。「なんとなく(ゴールの)予感はありました。昨日は俊輔も取りましたし、香川も頑張ったというニュースを見たので。自分も取れたらいいなと思っていました」と話すとおりだ。

 50歳14日での偉大な記録。それでもカズは満足することはない。「年齢のことは自分のなかで重要視していない。紅白戦で点を決めたり、練習から結果を見られることもありますし、毎日トレーニングを積み重ねていくことのほうが僕は大変なことだと思う。プレーのなかでのゴールは結果に過ぎない」。華やかなゴールの裏には日々の地道な積み重ねがある。それを50歳となった今も続けていくのは並大抵のことではない。

「毎日自分よりも半分以下の年齢の選手たち。そういう人たちと全力で練習をしている積み重ねがゴールになっている」と強く語ったカズ。年を重ねても変わることなく、一人の選手として、ただひたすらにゴールを目指す。その背中に多くの人が元気づけられている。

(取材・文 片岡涼)

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