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[MOM2063]阪南大高FW島田龍之介(新2年)_G大阪ユースの守りをかき回した163cmドリブラー

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阪南大高FW島田龍之介

[3.12 アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ G大阪ユースB 2-5 阪南大高 J-GREEN堺]

「チョロQみたいな選手」という濱田豪監督の例えがしっくり来る選手だ。阪南大高のFW島田龍之介(新2年)の特長は細かいタッチのドリブルとピッチで瞬時に判別がつく163cmの身長。何度、壁に阻まれても、ぜんまいバネで何度も繰り返し突き進むチョロQと同様に再びドリブルで仕掛けては相手守備の隙をすり抜けていく。

 ガンバ大阪ユースBと「アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ」の頂点の座を争った決勝は彼の持ち味が存分に発揮された試合だった。2-2の同点で迎えた後半開始からピッチに送り出されると、「自分の色を出そうと思っていた」との意気込み通り、果敢な仕掛けを披露する。2日間で4試合をこなし、疲労の色も見え始めたG大阪への効果は抜群。わずか3分で、右サイドからゴール前に入ったパスを合わせて勝ち越し点をマークした。

 その後も、濱田監督が「こんな子がPAに侵入してきたら嫌だと思う」と説明したように、G大阪の守備陣を積極的にかき乱し、ダメージを与えた。16分には、G大阪が自陣でのリスタートを失敗した隙を奪って自身2点目をマーク。23分にはゴールこそならなかったが、ゴール前での混戦を華麗な足技でかわして、フィニッシュまで持ち込んだ。残したインパクトは35分という出場時間を考えれば、絶大だった。

 指揮官は「競り合いに強い相手だと通用しないし、この子がどういう相手に合うか判って使わないといけない」と口にしていたが、小柄な身長は長所でもあり、短所でもある。自身もその点は良く理解しており、「小柄なのでドリブルや俊敏性で勝負していかないとデカい相手に勝っていけない」と口にする。ただ、世界に目をやれば島田と同じく、低身長ながら世界的スターまで登り詰めた選手がいる。憧れの選手として挙げるのは身長169cmのFWリオネル・メッシ(バルセロナ)。屈強なDFをきりきり舞いにするメッシのプレー動画を幼少の頃から繰り返しチェック。練習から何度も真似することで、現在のプレースタイルを身につけた。

 G大阪のAチームと対戦した準決勝は「自分の色を出せなかった」と反省するように、まだ課題もある。守備面は物足りなく、濱田監督から決めきることを求められているように、見せ場の数とゴールの数も比例していない。ただし、他とははっきりと違う明確な色を持った楽しみな選手であることは確かである。昨季の主力が多数去った今季はエースとして活躍が期待されており、本人も「インターハイや選手権など大きな大会で活躍して、自分の名前を売っていきたい」と気合十分。一気に注目選手への道を突き進めるか、楽しみな一年が幕を開けた。

(取材・文 森田将義)

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