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「NIKE LETHAL FINISHER」でハッキリした現在地…京都橘FW梅津が日本屈指のフィニッシャー柿谷曜一朗から見えた“将来像”

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柿谷曜一朗から直接指導を受ける京都橘高のFW梅津凌岳

 プロの凄みを見せつけられた――。日本の得点力不足を解消するために“フィニッシャーをつくりあげる”ことを目的に、『JFA Youth & Development Programme(JYD)』事業の一環としてNIKEが開催している『LETHAL FINISHER MASTERCLASS』。FW梅津凌岳(京都橘高)の第3回では、風間八宏監督(名古屋グランパス)をゲスト講師に迎えた第2回でも痛感した「動き出しとトラップの質」の課題に再び向き合うこととなった。

 3月20日に開催する『NIKE ACADEMY TOKYO』(@レッズランド)に先駆けて開催されている『LETHAL FINISHER MASTERCLASS』の第3回目は、梅津とFW宇津元伸弥(鵬翔高)とで別々に開催。3月8日に行われた梅津の回では、日本屈指のフィニッシャーであり、スイスでのプレー経験もあるセレッソ大阪のFW柿谷曜一朗をゲスト講師に迎え、京都橘のチームメイトと一緒に、柿谷の持ち味であるオフ・ザ・ボールでの動きや体の使い方、ボールコントロールなど“プロのレベル”を体感することになった。

 最初に行われたのは、動くスペースを制限された中で、マークされた相手を動かし、パスを受けてシュートを決めるトレーニング。梅津は、第2回でも学んだように必要以上に走り回らず、相手を少し動かしてボールを受けようとしたが、なかなかパサーとのタイミングが合わず、思い通りにフィニッシュまで持ち込むことができない。それでも、柿谷から「あまり動きすぎず、ボールの出し手が足を振る瞬間くらいに動け」とアドバイスを受け、考えながら味方のパスを引き出そうとしていた。

 次のトレーニングでは、味方のダイレクトプレーにタイミングを合わせ、守備ラインを突破してフィニッシュ。シュートの精度はもちろん、ゴール前での連続性や守備ラインのマークを惑わす動き、そこからトップスピードでDFのギャップを突くことが求められた。梅津が「まだ感覚がつかめていない」と頭を悩ませている動き出しに、柿谷はDFを惑わせる走りからパスが出る瞬間にキュッとスピードを上げて守備ラインを抜け出し、柔らかいトラップから冷静にシュートコースを選択。何気ないプレーの中でプロとしての質の高さを見せつけた。

 柿谷が考える動き出しとは、「一番大事なのはタイミングかな」と語る。「ボールが動き出すイメージじゃなくて、動き出してボールをもらった後のイメージを先にしておくこと。動き出しが大事じゃなくて、動き出したあとのゴールをイメージしていないと意味がない」と持論を展開。「試合前や今日みたいな練習で『俺はこういう動きをする』と伝えておくことを俺はいつもやっている。誰が出場しても自分の動きでパスが出てくるというのが大事だし、それが仲間だと思います。パスがズレたり、狙っていたのに動き出さなかったら、味方に文句は言わないといけない。こういう練習からお互いに共有していってほしい」。トレーニングは楽しくやることが大事。でも、試合の中で使えることを考えておかないと意味がないと説明した。

 その後の狭いスペースで行われた3対3や6対6では、柿谷のアドバイスを受けて、いつ、どこへ、どのように動くのかを考えながら、チームメイトとトレーニングをこなした梅津。柿谷は技術の高さやセンスがある点を褒めた一方、練習中だけでも、もう少し“エゴ”を出した方がいいと精神面を指摘。「ボールを受けてゲームを組み立てて、スルーパスというのはもちろん大事だと思うよ。でも、それにプラスして点を取れる選手になったら俺は代表になれると思う。結局、プロの世界や上に行く選手はその試合で点を取っている。何をしていてもいいと思うけど、その試合で1点を取れば、あとは何もしなくていいというくらいに、自分がその試合を決める選手になってほしい」と期待を込めた。

 『LETHAL FINISHER MASTERCLASS』の3日間のトレーニングを終えて梅津は、これまであまり重視してやっていなかったフィニッシャーとしての「動き出し」や、第1回の元日本代表FW久保竜彦氏からもアドバイスされた「体の使い方」の大切さを実感。その上で、「プレーの速さと頭の回転の速さは、常に周りを見て頭にイメージを持っておく、それを作る速さと引き出す速さが一番大事だと思いました。あと、狭いスペースの中で早い判断でプレーできることはプロの選手には一番大切なのかなと思いました」と、少しではあるが、今後の成長につながる“将来像”が見えてきたようだ。

 今回の貴重な経験を生かすも殺すも自分次第。「チームとしてたくさん点が取れるように、フィニッシャーとしての動き出しを入れつつ、僕が点を取ったり、たくさん点に絡めるようなプレーをしていきたい。それでチームが勝てればいいと思います」。自分の成長がチームの勝利につながる。チームが勝利すれば、さらに大きな舞台でプレーすることができる。そうなれば、注目を集め、目標のステージに近づく――。『LETHAL FINISHER MASTERCLASS』でハッキリした現在地。3人のゲスト講師から受けたアドバイスをもとに課題を一つ一つ確実に克服し、日本を代表するフィニッシャーへと成長してみせる。

(取材・文 清水祐一)
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