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試合勘よりも経験重視、本田招集のハリル「私は経験を必要とする」

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クラブで出番に恵まれないFW本田圭佑だが引き続き日本代表に招集された

 経験重視の人選となった。日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は16日、都内のJFAハウスで記者会見を行い、23日のW杯アジア最終予選・UAE戦(アルアイン)、28日の同タイ戦(埼玉)に臨む日本代表メンバー25人を発表。所属クラブで出場機会に恵まれず、その選考が注目されたFW本田圭佑(ミラン)も引き続き招集された。

「試合に出ていなくても、今の代表は本田を必要としている」。指揮官は絶対の信頼を口にした。「20試合、我々は一緒に戦ってきたが、常に彼の存在はそこにあった。我々のトップスコアラーでもある」。国内組で臨んだ東アジア杯を除けば、本田が招集メンバーから外れたことはない。昨年11月15日のサウジアラビア戦(2-1)は途中出場だったが、ハリルジャパンでは17試合9得点。その貢献度を軽視することはできなかった。

「もちろんミランでより多くの試合に出てもらいたいというのが私の望みだが、今のところ激しいポジション争いの中で使われていないという状況だ。だが、彼の代表でプレーする意欲は常に高い。プラスアルファのトレーニングをしていることも分かっている。この代表は彼の存在を必要としている。彼が試合に出るのか、何分出るのかはまた別問題だが、彼の存在が我々にとって重要だ」

 試合勘よりも経験を優先した。23日のW杯アジア最終予選・UAE戦(アルアイン)に向け、「アブダビではなく、アルアインに会場が変わっている。少し小さめのスタジアムで、独特な雰囲気の中で大きなプレッシャーを感じながらプレーする試合になる」と警戒するハリルホジッチ監督は「もしかしたら暴力的なこと、挑発もあるかもしれない」と指摘する。

 完全アウェーの環境で必要になるベテランの経験値。昨年はMF大島僚太やMF井手口陽介ら若手も積極的に招集してきたが、「若手をプッシュして使ったとき、『できるか』と聞くと、『はい』という答えが毎回返ってくるが、相手に少し敬意を払い過ぎている、少し恐れている姿を感じることもあった」と打ち明ける。「そういった意味でも本田のような選手はこれからも必要だと思う」と、重圧やプレッシャーがかかる状況でも力を発揮するため、あえてベテランの重用を決断した。

「選手によってはこのような特質の試合に初めて臨む選手もいる。たくさんのプレッシャーがあり、自分たちに悪意が向くような状態で試合をすることもある。そこで私は経験を必要とする。特にUAE戦に向けてはその経験値が重要になる」

 最終予選は前半戦の5試合を終え、日本は3勝1分1敗のB組2位。4位UAEに勝てば2位以内をキープし、首位サウジアラビアが引き分け以下なら首位に立つが、負ければ他会場の結果次第でW杯出場圏外の4位に転落する可能性もある。

 UAEは昨年9月1日にホームで行われた第1戦で敗れている因縁の相手でもある。「初戦を思い出すと、熱が39度ぐらいに上がるので思い出したくない」と語るリベンジマッチ。指揮官は「若手と経験を積んだ選手の融合を進めたい。形は変わったが、目標は変わっていない。それはUAEに渡って成功をおさめて帰ってくること。野心を持って準備を進めたい」と力を込めた。

(取材・文 西山紘平)

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