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[サニックス杯]15年度2冠王者と16年度2冠王者との注目対決!東福岡が青森山田から意地の白星!

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東福岡高はU-18日本代表のCB阿部海大(右)中心に1点を守り抜いた

[3.16 サニックス杯予選リーグ第2節 青森山田高 0-1 東福岡高 グローバルアリーナ]

 高校年代の強豪12チームと海外4チームの計16チームが優勝を争う「サニックス杯国際ユースサッカー大会2017」が16日に福岡県宗像市のグローバルアリーナで開幕し、予選リーグ第2節で東福岡高が1-0で青森山田高に勝利。ともに通算成績を1勝1敗とした。

 意地と意地のぶつかり合い。特に試合終盤は青森山田が東福岡をゴール前まで押し込んで、攻め続けた。東福岡は時折鋭いカウンターからMF青木真生都やFW大森真吾が独力でシュートまで持ち込むなど追加点のチャンスを作ったが、決めることができない。それでも東福岡の選手達は相手のロングボールやロングスローが次々と放り込まれる中、ゴール前で必死に競り合い続け、こぼれ球への反応も速くクリアしていた。

 ゴール前で存在感を発揮していたU-18日本代表CB阿部海大が「(選手権で)自分ら決勝まで行けなくて、絶対に倒してやろうということがありましたし、(サニックス杯初戦で)流経(流通経済大柏)に負けて絶対に落とせない一戦だった」と振り返ったように、絶対に勝つという思いで戦い続けた東福岡。GK佐野圭音がビッグセーブを見せるなど再三ゴール前までボールを運ばれながらも1-0で青森山田を振り切ったチームについては、森重潤也監督も「粘り強く戦ったと思う。少ないチャンスをものにして、リードしている分、(相手の勢いに)やられている部分もあったけれど最後に身体を張ったりしていた」と頷いていた。

 15年度全国高校総体と全国高校選手権優勝の東福岡と16年度全国高校選手権とプレミアリーグチャンピオンシップで2冠を勝ち取っている青森山田との注目対決は、序盤から攻守が目まぐるしく入れ替わる熱い戦いとなった。

 先手を取ったのは東福岡だった。ドリブル突破やサイドで崩し切るのではなく、早めにクロスボールを入れる攻撃を狙っていた東福岡は13分、MF木橋朋輝のロングクロスをファーサイドから中央へ飛び込んだMF田村和玖人が左足ダイレクトで合わせて先制点を奪う。

 この試合、10番MF福田湧矢を欠いた東福岡だが、木橋が左サイドから思い切ったシュートでゴールを脅かすなど、攻撃のポイントに。一進一退の攻防戦だったが、攻めきれないシーンの多い青森山田に比べて、より流れ良く試合を進めていたのは東福岡の方だった。

 それでも後半は敵陣ゴール前での局面を除くと、青森山田が競り合いの多くのシーンで上回る。13分には右サイドからの折り返しを交代出場のFW三國ケネディエブスが合わせるが、GK佐野がファインセーブ。14分にはエースMF郷家友太、18分には三國のシュートが会場を沸かせた。

 あわや同点ゴール、というシーンは幾度もあったが、東福岡は粘り強く戦い抜いた。そして1-0で勝利。新人戦九州大会では準決勝、3位決定戦と勝ち切ることができず4位に終わり、今大会初戦でも流通経済大柏に0-1で競り負けていた。意欲の面含めてコーチ陣から指摘されることの多かった東福岡だが、この勝利が変わるきっかけとなるか。

 森重監督は「こういうゲームを勝つことでひとつ自信になってくると思うし、(シーズン当初の)こういう時だからこそ、(自分達は)足りていないよね、と受け入れられるかもしれない。負けて受け入れる分と、勝って受け入れる分という中で成長して行くんじゃないかと思う」と語り、阿部は「ここでゼロで終わるのと最後やらせるのとでは絶対に今後違ってくる。(自分達のサッカーは)できてはいないけれどプラスに捉えていきたい」と前向きだった。昨年はJリーガー3選手を輩出したが選手権は悔しい準々決勝敗退。復権への道のりを歩み始めた東福岡が、全国トップを争うライバルから勝ち取った1勝を必ず今後に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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