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[MOM2066]広島ユースMF川村拓夢(3年)_「新しいボランチ像」作る!左足パスで違い生み出す大型ボランチ

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サンフレッチェ広島ユースMF川村拓夢

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.17 サニックス杯予選リーグ第3節 市立船橋高 0-1 広島ユース グローバルアリーナ]
 
 理想はチェルシーのセルビア代表MFネマニャ・マティッチサンフレッチェ広島ユースの注目MF川村拓夢はチェルシーのプレミアリーグ首位に貢献している194cmボランチのようなスケール大きなボランチになることが目標だ。「なかなかそういうボランチはいない。新しいボランチ像をつくっていきたい」。そのMFは市立船橋高との強豪対決でも存在感あるプレーを続けていた。

 左足の精度は特に注目だ。この日はDFラインまで下がってボールを受けながら攻撃をコントロール。その左足から放たれるパスの多くは相手DFが届きそうで届かない位置へ狂うことなく配球されていた。

 蹴る際に特別意識しなくても自然と繰り出すことができているという“ギリギリ”の左足パス。最初はゆっくりとパスを繋ぎながら、何気なく繰り出される1本のパスで広島の攻撃は一気にスピードを上げた。

「自分の特長はパスなので違いを出していきたい。(キック精度は)中学校の時に蹴り続けていたらこうなりました」。そして相手の意識を外へ向けながら、本人も一番喜びを感じるという縦パス。2日間で3試合目という疲労もあって、この日のキックについて本人は不満げだったが、それでも彼の正確なパスが広島を相手ゴールへ近づけた。

 今年はトップチームの宮崎キャンプに参加。同じボランチを主戦場とするMF青山敏弘のプレーを間近で見たことは自身をまた変える経験となった。「全然自分と違うので運動量のところだったり、もっと質を上げていかないといけない。僕と全然違いますね。青山選手はキャプテンなので周りも見えている。自分はまだまだ、自分だけになっている。まだまだです」。

 昨年は隣でプレーしたMF力安祥伍に守備の部分を任せっきりだった。だが、「今年は自分がやらないといけない」と意識変化。本人は守備面についても満足していなかったが、この日は味方のピンチになりそうなパスを足に引っ掛けたり、パスコースを消す動き、カバーリングなど守備や泥臭い動きも。そして「守備のところをやっていかないとプレーの幅も広がっていかない。そこはやらないといけない」とさらなるレベルアップを誓っていた。

 上のステージでも通用したと感じている左足のパスやロングボール。その武器を進化させることはもちろん、大型レフティーは運動量や守備の部分をさらに改善させて「新しいボランチ像」を作って行く。

(取材・文 吉田太郎)

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