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[新人戦]「これからどんどん歴史を」中国大会初出場の倉敷翠松が0-2から鳥取城北に逆転勝ち!

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後半35分、倉敷翠松高はMF西村修人が決勝点

[3.18 中国高校新人大会1回戦 倉敷翠松高 3-2 鳥取城北高 広島皆実高G]

 中国大会初陣の倉敷翠松が逆転勝ち! 第9回中国高校サッカー新人大会が18日に広島県内で開幕した。倉敷翠松高(岡山2)と鳥取城北高(鳥取2)との1回戦は前半を0-2で折り返した倉敷翠松が後半の3得点によって3-2で逆転勝ち。初出場初勝利を果たした倉敷翠松は19日の準々決勝で聖光高(山口3)と戦う。

「これからどんどん歴史を作って行きたいです」。主将のCB山本航大(新3年)は中国1勝を果たした試合後、そう力を込めた。倉敷翠松は元岡山DFの青山裕高監督の下、間もなく強化8年目を迎える新鋭。青山監督の実弟である広島MF青山敏弘の「ファイト!!翠松イレブン」というメッセージも掲げられる中で戦ったイレブンが、一つ歴史を塗り替えた。

 試合は序盤に倉敷翠松が決定機を作るが、鳥取城北はMF吉田響稀(新3年)やMF飯野竣也(新2年)、MF田渕魁梨(新3年)の1タッチパスを交えたパス交換からリズムを作って攻め返す。すると18分、PAへ放り込まれたロングボールを倉敷翠松守備陣が連係ミス。ゴールエリアにこぼれたボールを田渕が難なく頭で押し込んで鳥取城北が先制した。さらに21分には左サイドからショートパスを繋いで最後は右MF澤田幸英(新3年)が左足で加点。2点リードで前半を折り返す。

 倉敷翠松の青山監督は「中盤前2枚がもっとアプローチに行けることがウリなんですけど、(前半は)セカンドボールが拾えなかった」。それでも点を取りに行くしかない後半、倉敷翠松はMF三宅祥太(新3年)やMF小野亮二郎(新3年)が果敢に前からアプローチ。そして相手のパスワークを乱してMF戸田啓太(新3年)らがセカンドボールを拾う回数を増やす。

 鳥取城北は12分にカウンターから決定機を迎えるが、吉田の左足シュートは倉敷翠松DFがゴールライン上でスーパークリア。突き放すことのできなかった鳥取城北の小池晋平監督は「前から来たのをしっかりいなしていけるようにならないといけないかなと思います」と振り返っていたが、倉敷翠松の勢いある守備に苦しむ時間が増えてしまう。

 前からのプレスと山本、CB沼本洋(新3年)の読みと対人の強さも光っていた倉敷翠松は24分に戸田のPKで1点を返すと、30分には相手の連係ミスを突いた右MF鈴木柊斗(新3年)と三宅が猛然とプレッシャー。最後は混戦から三宅が決めて同点に追いついた。

 そして35分、倉敷翠松は戸田の左CKをファーサイドの山本が頭で折り返す。最後はMF西村修人(新3年)がスライディングシュートで決勝ゴール。鳥取城北は直後にFW福田陸(新3年)がPAへ切れ込むシーンがあったが、倉敷翠松GK鈴木生太(新3年)の懸命なセービングで同点ゴールは生まれず。青山監督が「後半ようやくウチの形っぽくなったかなと。いつもだったらないような失点でしたけれど、最後まで戦ってくれたのは良かった」と微笑む内容で試合をひっくり返した倉敷翠松が逆転勝ちした。

 岡山制覇、全国出場を目指す倉敷翠松にとっては自信になる白星。山本は「自分達のやるべきことをやればできるということが分かったと思う」と胸を張った。追撃ゴールを決めた戸田は「小学生の頃に青山先生が自分が入っていたチームのグラウンドに良く顔を出してくれたりしてくれて、優しく声かけてくれたりしてあの人のところでやりたいと思いました」と倉敷翠松へ進学。そして「今年、全国狙えたら良いと思います」と新たな歴史を築いている仲間達とともに全国出場を成し遂げることを誓った。作陽高や岡山学芸館高、玉野光南高など強豪集う岡山の意欲的な挑戦者。中国大会で一つでも多くの自信と経験を得る。

(取材・文 吉田太郎)

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