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[新人戦]高川学園にペース握られるも後半4発!16年全国総体8強の瀬戸内が逆転勝ち!!:中国

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後半アディショナルタイム、MF半田拓巳のゴールを喜ぶ瀬戸内高イレブン

[3.18 中国高校新人大会1回戦瀬戸内高 4-1 高川学園高 広島皆実高G]

 第9回中国高校サッカー新人大会1回戦が18日に行われ、前回準優勝校で16年全国高校総体8強の瀬戸内高(広島2)が高川学園高(山口1)に4-1で逆転勝ちした。瀬戸内は19日の準々決勝で松江南高と戦う。

 昨年10番を背負い、鹿島入りしたFW安部裕葵のような突き抜けた選手はいないかもしれない。それでも個々のレベルやチームの連動性、前への勢いを感じさせる戦いを見せた瀬戸内が初戦突破を果たした。

 前半は選手権出場校の高川学園がペースを握った。主将のMF富山智史(新3年)やGK安倍洋一郎(新3年)をケガで欠く高川学園だが、それでも左SB浜下光輝(新3年)らが球際の強度高い動きで瀬戸内の攻撃を食い止めると、DF間を上手く取ってボールを繋ぐ攻撃と相手の背後を狙う攻撃を使い分けながらチャンスを作り出す。

 12分、左サイドを突破したMF江本信哉(新3年)がゴールエリアへラストパス。これに飛び込んだMF鳥飼椋平(新2年)が一度はGKに阻まれながらもこぼれ球を自ら左足で押し込んで先制した。

 瀬戸内は183cmのFW北村友和(新3年)が「去年ほど個の力はないですけど、その分チームで団結して、チームワークはあると思います。去年は個々で抜けたりしたけれど、今年は連動性とかチームワークがある。前への意識は去年よりも高まっていると思う」と説明するように、前への迫力ある攻撃で反撃。MF吉田寛太(新2年)をはじめ、個々のスキル高く、またダイナミックな動きでスペースを突く北村やMF藤原雅弥主将(新3年)らの動きが相手の脅威になっていた。

 それでも高川学園は前半を無失点で凌ぐ。逆に24分にはMF長廣洸大(新3年)のスルーパスで抜け出したFW原田千里(新3年)が切り返しから決定的な右足シュートを放ち、31分には江本のスルーパスに184cmFW土信田悠生(新3年)が反応。こぼれ球に走り込んだ江本の右足シュートがポストをかすめるなど2点目のチャンスを作り出した。

 だが、高川学園は長廣が「(瀬戸内の)サイドへのスピードに後半失点多くなって、後半は距離が甘くなってしまった」と振り返り、浜下も「後半は相手のテンポが変わってきて、そこに対応できなかったのが敗因だと思います」と悔やんだように、テンポの変わった相手の攻撃に対応することができずに押し込まれてしまう。

 瀬戸内は後半16分、抜け出した長廣の決定的なシュートがGK海老澤雄大(新2年)の好守に阻まれたものの、最後は混戦後のこぼれ球に反応した吉田が左足一閃。「ゴール前でできるだけ落ち着いてプレーすることを意識している。GKの位置が左寄りだったので右に当てれば入ると」という吉田の見事な左足シュートがゴール右隅へ突き刺さり、1-1となった。

 追いついた瀬戸内は一気に畳み掛ける。20分、右SB小西祐太郎(新3年)の右クロスを中央のFW北村が高さを活かしたヘディングシュートを左隅に決めて逆転。高川学園も海老澤を中心とした守りで食い下がり、31分には長廣の好パスから土信田が決定的な左足ボレーを放つ。

 だが、これは枠外へ。一方の瀬戸内は35分、交代出場で好プレーを見せていた左SB馬場海人(新3年)の左アーリークロスを同じく交代出場のFW川岸怜央(新2年)が頭でゴールへ流し込む。さらにアディショナルタイムにもMF半田拓巳(新3年)の豪快な右足ミドルがゴールを破り、4-1で瀬戸内が勝った。

 敗れた高川学園の江本孝監督は「(瀬戸内に)揺さぶらせないように、ファーストディフェンスでしっかり距離を寄せさせてコンパクトなところで奪わせたかった。前半はできていたけれど後半は自分達から崩れてしまった。点をあの時間帯(前半12分)で取れてしまったことで受け身になってしまったかなと」と残念がった。一方、クロスやシュートのキック精度の高さも光った瀬戸内は最後、相手をねじ伏せるような形で初戦突破。北村は今年の目標について「まずは(広島で)3冠獲りたかったんですけど(新人戦は)負けたので、残りのインターハイと選手権出たい」。瀬戸内は今年、悲願の選手権初出場という目標へ向けて勝ち続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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