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[新人戦]「全国で勝つチーム」へ!岡山学芸館がプレミア勢の米子北を3-0撃破!:中国

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前半6分、岡山学芸館高はMF前田光輝が左足で決めて2-0

[3.19 中国高校新人大会準々決勝 米子北高 0-3 岡山学芸館高 広島スタジアム]

 第9回中国高校サッカー新人大会は19日、準々決勝と準決勝を行った。16年プリンスリーグ中国優勝の米子北高(鳥取1)と同3位の岡山学芸館高(岡山1)との準々決勝は、岡山学芸館が3-0で快勝。岡山学芸館は瀬戸内高(広島2)との準決勝も突破して20日の決勝(対立正大淞南高)へ進出した。

 今年プレミアリーグWESTへ昇格する米子北を岡山学芸館が沈めた。高原良明監督が「ファーストアクションで負けないことと、次のセカンドボールの奪取率で相手を上回るというところで選手達が良く頑張ってくれた」と振り返ったように、岡山学芸館は立ち上がりからアグレッシブなサッカーを展開して強敵を上回る。

 6分、注目MF池平直樹(新3年)のサイドチェンジからMF前田光輝(新2年)が左クロス。FW永田一真(新2年)とFW川西真斗(新3年)が中央でDFを引きつけ、その外側から飛び出してきたMF栗元温海(新2年)が1タッチで先制ゴールを決めた。岡山学芸館は15分にもこの日存在感ある動きを見せたMF浅野達郎(新3年)の右アーリークロスにファーサイドから前田が走り込んで胸コントロール。DFの前に出た前田がそのまま左足で2点目を奪った。

「ファースト(ディフェンスが)行けていないから裏にも出されるし、チャレ&カバーも明確にならない」と中村真吾監督が指摘した米子北に対し、岡山学芸館は前線で献身的な動きを見せる川西、永田が相手の最終ラインやGKにプレッシャーをかけ続けて米子北との差を作り出していた。そしてゲームをコントロールする池平が1タッチのパスや大きな展開のパスを使い分けて浅野、前田の強力な両翼に配球。最終ラインでは180cmCB川脇優(新3年)が高さを発揮するなど自分達のペースで試合を進めていた。

 一方、米子北は18分にFW城市太志(新3年)とのパス交換からFW高橋諒(新2年)がフィニッシュ。33分には城市が相手GKのキックをチャージしてチャンスを迎えるがいずれも得点に結びつけることができない。時間が経つにつれて注目司令塔・MF佐野海舟(新2年)の落ち着いたボールコントロールや1タッチパスが光り出し、左MF坂田二千翔(新3年)の縦突破や高橋のDF間でボールを受ける動きなどからチャンスの数を増やしたが、後半立ち上がりに3点目を失ってしまう。

 岡山学芸館は後半6分、左中間から強引に縦へ仕掛けた永田が左足シュートを決めて3-0。この後、攻撃の圧力を増した米子北は敵陣でプレーする時間を増やしてサイドから押し込んでいたが、ラストパスの精度を欠いたり、PAにボールを運んでも詰め切ることができない。

 岡山学芸館の最終ラインは綻びを見せかけても最後のところで身体を張って失点の危機を防いでいた。対して米子北は29分に抜け出した坂田のシュートが枠を外れるなど相手の隙を得点に結びつけることができず。結果、川西が「自分達の良さ、前からガンガン走ってボール追いかけて、チーム全体で走って自分達のサッカーができたと思います」という岡山学芸館が3-0で快勝した。

 16年、岡山学芸館は岡山県内3冠を達成。プリンスリーグ中国でも3位に食い込んだが、全国高校総体、全国高校選手権ではいずれも内容の良いサッカーを見せながらも初戦敗退に終わった。高原監督は「全国に出て1勝もできなかったので、(今年は)勝負強さというところでとにかく失点少なくして、数多くゴールに迫っていけるというところで去年よりは縦の速さも求めてやっています」。悔しい経験は今年のチーム作りに活かされている。

 今年は縦への速さと強さを発揮するFWたちを擁していることもあって、2トップへシステム変更。昨年とは異なる前への勢いあるサッカーで、また強さを示している。川西は今年の目標について「チームとしては県内3冠と全国で勝てるチーム作りを目指している」ときっぱり。そして池平は「全ての大会が最後の大会になるので一戦一戦無駄にしないように、みんなが最後笑って終われるようにやっていきたいです」と口にした。全国で勝利するチームを目指す今年、まずは中国を制して弾みをつける。

(取材・文 吉田太郎)

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