beacon

[新人戦]中学時代は3番手、登録165cmの小さな守護神・宮島岳が立正大淞南を中国王座へ導く!

このエントリーをはてなブックマークに追加

好セーブを連発して立正大淞南高を優勝へ導いたGK宮島岳

[3.20 中国高校新人大会決勝 立正大淞南高 3-2(延長)岡山学芸館高 広島スタジアム]

 中国王者を目指した岡山学芸館高の前に、小さなGKが立ちはだかった。立正大淞南高のゴールマウスを下級生時から守るGK宮島岳(新3年)は登録165cmの守護神。強豪校のGKとしては明らかに小柄(決勝の先発11人の中で2番目に小柄)だが、トレーニングからシュートを止めまくって信頼を勝ち取ってきたGKは中国決勝でもそのセービング能力の高さを示した。

 前半3分にCK後のクロスから失点。後半にはPKを決められた。それでも背番号1は集中力を切らさずにファインセーブを連発。特に後半終了間際にDFラインの背後へ抜け出した岡山学芸館FW川西真斗との1対1を勇気ある飛び出しから防いだシーンと、延長前半7分に岡山学芸館MF浅野達郎の左足シュートを必死に身体を伸ばしてセーブしたシーンは中国決勝のハイライトとも言える好プレーだった。

「自分のビッグセーブで勝てたことは嬉しいことなんですけど、全国大会で勝つためには今日の2失点目のPKだったり、1失点目の入りが悪くて失点してしまったところを止めていかないといけない。チーム的には勝てて良かったんですけど、個人的には全然ダメやったなと思います」

 中国地方を代表する強豪のゴールを守る宮島がGKになったのは小学校5年生から。当時はSBを努めていたという宮島だが、たまたまなり手のいなかった試合でGKを努めると、シュートを止めることの楽しさに魅了される。だが、小柄なGKはG大阪門真ジュニアユースに所属していた中学時代は3番手のGKだったという。それでも「全国大会で試合に出ることを目標にこの学校に来ました」という立正大淞南で自分よりも身長の高いGKに負けない武器を身に着けて、先発を勝ち取るだけの評価を獲得した。

「小柄な方なのでシュートの止め方とか工夫して、南(健司)先生から『こう足を運んだら止めれるよ』とか教えてもらったりしているので自分の身長を考えてやっています。自分が練習で一番止めることを意識しているので、一番止められていると思うんですけど、そこの部分が試合(出場やプレー)に繋がっていると思います」

 シュート練習から絶対に他のGKよりも失点しないことにこだわってきた。誰よりもシュートを止めることによって自身の信頼度を高めてきた。どの試合でもゼロで抑えること、勝つことを目指している。「サッカーは後ろがゼロで抑えて攻撃が点取ったら勝てるので、無失点にこだわってやっていきたいと思っている。そして、もちろん無失点にこだわりながら、チームを勝たせるGKになっていかないといけないと思っています。中国チャンピオンになったので全国でも勝ち上がって、ファイナリストになれるようにやっていきたい」。自身にノルマを課してゴールを守る宮島。優勝GKとなっても満足することなく、練習からシュートを止めまくる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP