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[東京都1部L]“あと一歩”の昨年越える一年に。成立学園が帝京破り、開幕4連勝!

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後半26分、成立学園高はCB村上渉(中央)が決勝点

[3.24 東京都1部L第4節 成立学園高 1-0 帝京高 成立学園鷲宮G]

 成立学園が開幕4連勝! 24日、高円宮杯U-18サッカーリーグ2017東京1部(T1リーグ)第4節の成立学園高帝京高戦が行われ、16年優勝の成立学園がCB村上渉(新3年)の決勝ゴールによって1-0で勝利。開幕4連勝とした。一方、敗れた帝京は1分2敗となっている。

 16年はT1リーグで優勝しながらも関東大会予選が準優勝で総体予選は全国出場を懸けた準決勝敗退。そして選手権予選も決勝で0-1で敗れて準優勝と、成立学園は東京トップレベルの実力を持ちながらもトーナメント戦を勝ち抜くことができなかった。元日本代表MFの宮内聡監督は新チームに「(チームの特長である)中盤のゾーンでボールを動かすことは当たり前に」できながら、同時にゴール前に力を注ぐ部分と、ボールを奪うことを求めてきたという。その中で今季のT1リーグでは開幕からの3試合で12得点、1失点と攻守で力を発揮してきている。

 この日、帝京の堅守の前に苦戦したものの、「ゴールを奪うためにボールを奪うことをみんなでハードワークするということを今年のチームはできると思う」(宮内監督)という成立学園はセットプレーによる1点をチーム全体で守って1-0で勝利した。

 立ち上がりからボールを支配したのは成立学園だった。昨年からの主軸であるMF鈴木皓主将(新3年)とMF菅原克海(新3年)を中心に左右へボールを動かして帝京DF陣の隙を突こうとする。7分には左MF米津天(新3年)の左CKを右SB大木隼人(新3年)が頭で合わせたが、右ポストを直撃。その後も神出鬼没の動きでボールに絡む鈴木と10番FW佐久間駿希(新3年)が絡んだ崩しや、オープンスペースを狙った配球によってチャンスを作り出す。

 一方、帝京は相手の長短のパスに対してしっかりと構えて対応。成立学園FW佐久間も「帝京は足下入った時に後ろからガッツリ来るのと、ヘディングが強いので裏へ抜けようとしても跳ね返されてしまった」と振り返ったように、CB岡本良太(新3年)とCB渡辺楓(新3年)の両DFやMF中村祐隆(新3年)を中心に球際厳しい守りで得点を許さない。狙い所を持ったアプローチによって高い位置でボールを奪うと、一気にスピードある攻撃へと繋げていた。

 成立学園は33分、米津が抜け出してシュートを狙うが、距離を詰めたGK白井貴之(新3年)が好セーブ。帝京は41分にその白井が負傷して昨年の正守護神であるGK和田侑大(新3年)に代わるアクシデントがあったのもの、前半を無失点で切り抜けると、後半は中盤で相手DFを剥がして前進するMF三浦颯太(新2年)と左サイドのレフティーMF吉田龍斗(新3年)を中心にチャンスを増やす。8分にはショートカウンターから三浦が左サイドへ展開して吉田が左足シュート。これは成立学園GK横井健太(新3年)の好守に阻まれたものの、カウンター中心の攻撃からシュートシーンを作り出していた。

 成立学園は14分、左オープンスペースへと抜け出した佐久間のラストパスに俊足FW窪田稜(新2年)が走り込んだが、飛び出した帝京GK和田がストップ。スコアは動かない。それでも成立学園は26分、左SB山崎蓮(新3年)が右サイドから左足で蹴り込んだFKを「自分はあんまりセットプレーで取るイメージないんですけど、一年ぶりくらい(のゴール)。何となく一歩前行ってファーへ逃げる感じでポジションを取ったら山崎がいいボールを蹴ってくれた」という村上がファーサイド、ゴールライン近くの位置で合わせる。帝京DFが必死にゴールからかき出したが、先にボールがゴールラインを越えていたという判定で先制点となった。

 帝京も反撃を試みるが、成立学園は鈴木が「行くところは行って、行かないところはセットしてというところが結果的に前で奪えたり、良い守備に繋がったと思います」と説明したように、終始守りが安定。村上らの跳ね返したボールを鈴木や菅原がよく拾い続けていたこともあって得点を許さない。成立学園は相手の背後を上手く突く形で決定機も作ったが2点目を奪えず。後半アディショナルタイムには帝京・三浦のパスから吉田に意表を突く左足ミドルを放たれたものの、これがわずかにゴール上方へ外れて試合終了を迎えた。

 開幕4連勝の成立学園は今年、トーナメント戦での壁を破るために、勝ち切る強さを身につけることができるか。鈴木は「今年も攻撃力は非常に高いと思うので、一人ひとりがもっと点に貪欲になって決めなければダメなんだとチャンス一回一回に重みに感じてやっていかないといけない」と壁を破るために必要な要素を口にし、「去年、もう一歩のところで負けている悔しさがあるので、チームとしてはあと一歩のところで終わるのではなくて、しっかり勝利を掴んで全国行って自分達のサッカーを披露して、全国優勝したい」と誓った。「最後にみんなが笑えるように」(宮内監督)全員で、努力し、実現する。

(取材・文 吉田太郎)

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