beacon

「何となく」PKストップの川島、6万観衆の「期待がパワーに」

このエントリーをはてなブックマークに追加

PKを止め、雄叫びをあげるGK川島永嗣

[3.28 W杯アジア最終予選 日本4-0タイ 埼玉]

 力強く拳を握り締め、咆哮した。4-0の後半41分に迎えたPKのピンチ。FWティーラシン・デーンダーがゴール左を狙ったキックをGK川島永嗣(メス)が横っ飛びで弾き出し、絶体絶命の危機を救った。

 コースを読んでいたのかという報道陣の質問に「何となく」と笑うと、「自分としてはあっちで勝負しようかなと。タイミングだけしっかり合わせていこうと思っていた」と明かした。

 PKのシーンだけではない。前半アディショナルタイム、CKからゴール前混戦の中、ティーラシンにシュートを許すと、川島が左足を伸ばしてセーブ。「混戦だったので我慢して。足元にボールが来てくれてよかった」。後半6分にもCKの流れからMFチャナティップ・ソングラシンに強烈なミドルシュートを打たれたが、鋭い反応でかき出した。

 今季から所属するメスでは今年1月8日のカップ戦に出場しただけ。「僕自身、今年まだ3試合目。1試合にかける集中力はいつも以上に高めないといけないし、その中でPKを止められたのはうれしかった。PKになったとき、スタジアム中が止めることを期待するし、それが自分のパワーになる」と、5万9003人の後押しを受け、ゴールを死守した。

 所属クラブで出場機会に恵まれず、その試合勘も不安視された背番号1がビッグセーブを連発し、23日のUAE戦(2-0)に続く2試合連続の完封勝利に導いた。「この2試合、自分を使うというのは監督としてもリスクがあったと思う」。ハリルホジッチ監督の決断に感謝し、「僕自身、この2試合は大きな自信につながった。また向こうで勝負が始まる。次も呼んでもらえるように頑張りたい」と、再び海の向こうで始まる厳しい戦いに視線を向けた。

(取材・文 西山紘平)

●ロシアW杯アジア最終予選特集
●ロシアW杯各大陸予選一覧

TOP