[3.28 W杯アジア最終予選 日本4-0タイ 埼玉]

　UAE戦前にMF長谷部誠(フランクフルト)が負傷離脱し、そのUAE戦でMVP級の活躍を披露したMF今野泰幸(G大阪)、そしてMF高萩洋次郎(FC東京)も、UAE戦後に負傷で離脱。緊急事態に陥ったボランチで、そのポジションを託されたのは、本職はSBのDF酒井高徳(ハンブルガーSV)だった。

　所属クラブでボランチでのプレー経験があるものの、日本代表で中盤の底に入るのは酒井高にとっては初めてのこと。クラブで経験しているからこそ、「ボランチへの抵抗はない」が、「代表では役割が違う」。しかし、バヒド・ハリルホジッチ監督が目指しているサッカーは「理解している」し、「ボランチに要求していることは、いつも聞いている」。自分のやるべきことを整理して、試合へと臨んだ。

　MF山口蛍(C大阪)とコンビを組んでピッチへと立ったが、最終ラインがパス回しをしている際に、なかなかギャップに顔を出せずに縦パスを呼び込めない。ボールを受けた際もパスミスが目立ち、持ち味の守備でも、タイのトップ下に入るMFチャナティップ・ソングラシンに突破を許すなど精彩を欠いた。

「今日はできるだけ顔を出そうと思ったけどミスもあったり、少し勇気が足りなかったところもあった。ボランチにつけるところや、ボランチのパス交換も少なかった」と反省を口にすると、「自分の良さを少しでも出せればと思っていたが、良かったのはチームが勝ったことくらい」と厳しい口調で語った。

(取材・文　折戸岳彦)

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