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[ミズノカップ U-18 IN うどん県]ファインゴール3発!プレミアリーグ勢の神戸弘陵が初出場初優勝!

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優勝を喜ぶ神戸弘陵高イレブン

[3.30 ミズノカップ決勝 桃山学院高 0-3 神戸弘陵高 香川県サッカー場]

 強豪12校が新シーズンの本格的な開幕を前に力を競い合った「第5回 ミズノカップ U-18 IN うどん県 2017」(香川)は大会最終日の30日午後、決勝戦を行った。桃山学院高(大阪)と神戸弘陵高(兵庫)との戦いとなった決勝は神戸弘陵が3-0で快勝。初出場のミズノカップで初優勝を果たした。

 高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグ開幕へ弾みのV。神戸弘陵の谷純一監督は「年明けてからのトレーニングマッチ、練習で調子いい、ないし結果残した18人でこの大会参加にさせてもらったんです。初めての大会参加で本当に力あるチームと対戦させてもらって、改善するところを改善しながらひとつ結果を出せたので、選手たちの自信に繋げたいなと思っています」と総括した。

 対戦した桃山学院の堀佳津之監督が「プレミアのチームとやれたのは大きかった。足りないことが多かった」と語っていたが、神戸弘陵は攻守においてプレミアリーグ勢の力を発揮。球際の攻防での勢い、切り替えの速さ、そしてファインゴール3発などで桃山学院を上回り、タイトルを獲得した。

 立ち上がり、先にチャンスを作ったのは桃山学院の方だった。3分、縦パスから左中間を突いたFW茶谷椋(新3年)が強引に縦へ持ち込んで左足シュート。さらに6分には左サイドを切れ込んだFW角川倫久(新2年)の折り返しから茶谷、左MF三島勇稀(新3年)が立て続けに決定的なシュートを放つ。だが、前を塞いだ神戸弘陵守備陣がシュートをブロックして得点を許さない。

 逆に神戸弘陵は15分、右CKから左SB権勝星(新3年)が決定的なヘディングシュート。こぼれ球をFW住田翔(新3年)が狙ったが、ここは桃山学院GK長戸瑛心(新2年)がCKへ逃れる。この後は「ボールの取りどころがはっきりしていなかった」(堀監督)という桃山学院に神戸弘陵が次々とシュートを浴びせる展開になった。そして23分、神戸弘陵は中盤でボールを拾うと、左SB権がセンターライン付近からロングクロス。これに反応した住田がDF間での胸コントロールで一気に抜け出すと、そのまま右足シュートをゴールへ突き刺して先制した。

 ファインゴールに沸いた神戸弘陵はその後も右SB西山克人(新3年)と権の攻撃参加、ワンツーなどでサイドを攻略してクロスを上げ、決定打を連発する。そして後半12分、MF中濱悠斗(新2年)が中央左寄りの位置から右ハイサイドへサイドチェンジ。これを住田が頭で後方へ落とすと、MF竹村史明(新3年)のクロスを交代出場FW立岩玄輝(新3年)が押し込んで2-0とした。

 さらに14分、神戸弘陵は竹村とのワンツーから西山が右クロス。これをPAで受けた立岩のコントロールはやや流れたものの、振り向きざまに放った左足シュートがゴール左隅へ突き刺さった。

 いずれも会場をどよめかせるような3得点。何とか1点を奪おうとする桃山学院もMF井口椋介(新2年)のドリブルからMF宮先弘登(新3年)がミドルシュートを狙うなど反撃したが、DF田中滉大(新3年)とDF綿田龍二(新3年)の両CBを中心にシュートコースを塞ぎ続けた神戸弘陵は無失点のまま試合を進める。神戸弘陵はベンチの7選手全員もピッチに送り出して3-0で試合終了。参加12チームの頂点に立った。

 神戸弘陵は表彰式直後に選手が自発的に円陣を組んでミーティングしていた姿が印象的だった。主将のFW渡辺一也(新3年)は「この大会のまとめをしたのと明日また試合があるので。決勝でも課題があるし、今日の試合で言えば、今までの試合で悪かったところがなくなったから良かったと言ったんですけど、まだまだセットプレーとか決めることができてない。少ないチャンスを決めていこうと話しました」。わずかでも気づいたことを言い合い、チームを改善しようとしていた。

 プレミアリーグという厳しい舞台で戦うからこそ、彼らは必死で藻掻いて、少しでもレベルアップしようとしている。選手たちは優勝を思い切り喜んだ一方で、次へ向けてすぐに切り替えて移動。渡辺は「春休み、もう一段階レベルアップしたいなと思います」と誓っていた。

 神戸弘陵には今回出場した18名の他にも県リーグや神戸市のリーグ戦を戦うチームメートたちがいる。谷監督は「兵庫県や神戸市のリーグで活躍した選手、今大会で活躍した選手から、また20名ピックアップしてその20人に(プレミアリーグ)開幕戦のチケットを渡したいと思います」。

 昨年はプレミアリーグ開幕戦で名古屋U18に3-0で快勝したが、その後8試合白星から見放されるという苦しい経験をしている。また、期待された全国高校総体、全国高校選手権では予選敗退。だからこそ、選手たちは進化することへ貪欲だ。短い時間でもチーム内で少しでも高め合って、東福岡高とのプレミアリーグ開幕戦に臨む。

(取材・文 吉田太郎)
ミズノカップ U-18 IN うどん県

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