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「選ばれないと思っていた」負傷から復活、高校選抜CB橋本は欧州で恩返しの勝利誓う

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日本高校選抜の最終ラインのリーダーとして期待されるCB橋本恭輔

 青森山田高が成し遂げた全国高校サッカー選手権、プレミアリーグチャンピオンシップの2冠。Jクラブ加入が内定していたGK廣末陸(現FC東京)やMF高橋壱晟(現千葉)、そして主将のMF住永翔(現明治大)が注目を集めたが、最終ラインで欠かせない存在だったのがCB橋本恭輔(青森山田高→新潟医療福祉大)だった。

 この1年間で大きく成長し、選手権で大会優秀選手に選出されるなど評価も高めた橋本は、青森山田が1月に実施したイングランド遠征でも活躍。目の前の外国人アタッカー相手を完全に封鎖する一方で、公式戦経験の少なかった最終ラインの選手たちのフォローも一人でしてのけるほどのパフォーマンスを見せていた。

 本人も自分のプレーにかなりの手応えを感じていた時期。次は日本高校選抜メンバーとしての活躍を期待されていたが、イングランドから帰国後の自主練で以前から痛めていた左足甲の負傷を悪化させてしまう。当初、橋本は「(日本高校選抜には)選ばれないと思っていた」というが、黒田剛監督(青森山田高)は自チームのDFリーダーの回復をギリギリまで待つことを決断。そしてスタッフ陣が「よく戻してくれた」というほどの懸命のリハビリで状態を向上させた橋本は、3月に行われた専修大との練習試合などでアピールして日本高校選抜欧州遠征メンバー入りを勝ち取った。

 橋本は「前と比べたらだいぶ良くなっている。フルで自分のプレーを出せる状態に近づいてきているんで。チームに迷惑かけないようにやりたい」。ここからの一週間で試合勘や左足に負荷のかかるプレーについての不安を取り除き、デュッセルドルフ国際ユース大会では全力でチームの勝利のためにプレーする。

「無失点に絶対にこだわって、個人としてもやられたくないので、チームとしても、個人としてもやられないように自分でもしっかりやって、チームを動かせるようにできたら最高かなと。無失点毎試合でできたらいいですけれども、何よりも勝負に毎試合こだわって優勝できたらいい」。チームにとっても心強いDFの復活。橋本は回復を待ってくれた恩師に結果で恩返しする。

(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ

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