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2発以上にインパクトある動きの数々。日本高校選抜FW安藤瑞季が“プロ予備軍”の流経大相手に大暴れ

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日本高校選抜はFW安藤瑞季(左)が2ゴールの活躍。また、大学トップレベルの相手にインパクトあるプレーを連発

[4.7 練習試合 日本高校選抜 3-1 流通経済大]

 これまで日本高校選抜のCF候補筆頭は全国高校総体と全国高校選手権で得点王を獲得したFW鳴海彰人(青森山田高→仙台大)だった。ケガの鳴海が欧州遠征メンバーから外れることになったが、その不安を1学年下のFW安藤瑞季(長崎総合科学大附高3年)が埋める以上とも言えるような活躍を見せている。3月の静岡県ヤングサッカーフェスティバルでは静岡ユース(静岡県高校選抜)相手にハットトリックを達成。そしてこの日は大学サッカー界屈指の強豪、流通経済大相手に2得点を奪った。

 まずは1本目15分、敵陣左サイドでのインターセプトからFW町野修斗(履正社高3年)のラストパスを受けた安藤は左足一閃。豪快な一撃で先制点を奪うと、さらに2分後にはMF鳥海芳樹(桐光学園高→桐蔭横浜大)のスルーパスから一気に縦を突いたところをDFにファウルで止められてPKを獲得。このPKを冷静にゴール右へ決めて2点目を奪った。

 口にしたのは周囲への感謝。「周りがいるから自分が獲れているだけで1点目も町野が横パス出してくれて剥がして獲れたので町野には感謝していますし、PKも(鳥海)芳樹くんが出してくれたから自分が決めることができたので、本当に周りの選手に活かされている。感謝しかないですね」

 2得点を挙げたこと以上に印象的だったのが大学生選手たちとの競り合いの部分。前線でスプリントを繰り返したFWは球際でも流経大DF相手に互角以上に渡り合った。特に相手の前に身体を先に入れた際はボールを渡さず。GK 廣末陸(青森山田高→FC東京)のキックから、DFと身体を入れ替えて一気に抜け出すようなシーンや自陣PA付近からのカウンターで相手DFを跳ね除けて一人で突進するようなシーンもあった。

 本人も自分が優位な体勢となった際のボールキープなどに関しては手応えを感じており、「大学生でも身体を入れ替えたら自分のボールにできて、そこは自信ありますけれども、身体入れ替えるまでの過程がまだまだなんで、相手の方が全然速いですし、これからですね」と語っていた。

 黒田剛監督(青森山田高)も「負けん気がいいね」と讃えたCF安藤。一方で単独でボールを失うことが多い点を指摘し、本人も「過信したらいけない」と口にして、自身の活躍はあくまで周囲のおかげであることを強調していた。だが、そのゴールへの貪欲な姿勢と年上の“プロ予備軍”の脅威となったパワーが欧州でどのくらい通用するのか注目だ。

 今回の日本高校選抜欧州遠征は2月のU-18日本代表スペイン遠征で感じたものを再びトライできる貴重な機会。安藤は「幸せですね。今はチャレンジできることは大きなことだと思いますし、帰ってきてどれだけ大きなものを得られているか。自分プレーに集中してきたいと思っていますし、あっちで得るものは大きいと思うので一生懸命やってきたい」。今年の高校ナンバー1FW候補は謙虚な姿勢を崩さず、その上でチームのために、自身の余りあるエネルギーを全力でぶつけてくる。

(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ

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