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[プレミアリーグWEST]鮮烈先制弾も……東福岡エース福田は「気持ちの部分でまだ足りない」

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東福岡高のエースMF福田湧矢は先制点を決めた

[4.9 高円宮杯プレミアリーグWEST第1節 神戸弘陵高 2-2 東福岡高 ヤンマー]

「気持ちの部分でまだ足りない」。東福岡高のエースMF福田湧矢主将(3年)はチームを勝たせることができなかった自分に対する悔しさ、変わる必要性を口にしていた。

 この日、0-0のスコアを動かす鮮烈な一撃を決めたのは“赤い彗星”の背番号10、福田だった。前半22分、右MF木橋朋暉が入れたストレートボールのアーリークロスに反応。DFラインの前に出ると、観衆を唸らせるようなファーストコントロールから右足でゴールを破った。

「1回裏抜けて失敗したんですけれど、あそこは空くなと思っていた。木橋の左足は武器になるのであそこへ入り込んだらちょうどいいボールが来た。あとは冷静に決めるだけだった」

 神戸弘陵高ベンチは高い技術力を活かしてポゼッションに参加し、タイミングの良くスペースへ抜け出してくる福田の存在が“厄介”だったという。それでも、福田はヤンマースタジアム長居の長めの芝に苦戦して得意のドリブルを十分に発揮できないでいた。

 チームは後半17分までに2点をリードしながらも、24分に1点を奪い返されると踏ん張ることができない。29分にもセットプレーから失点。同点に追いつかれてしまう。福田はここでチームにスイッチを入れるようなプレー、再び相手を突き放すゴールを決められなかったことを悔やむ。

 同点直後にスピードに乗ったドリブルで敵陣を切り裂いたが、ミドルレンジからシュートを打ち切るのではなく、選択したのはパス。この他にも、もしかすると、強引に行っていいシーンがあったかもしれない。

「もっと貪欲に行っていればシュートを打てるシーンもあったんですけど、まだまだだなと思います。まだまだ自分が成長しないとこのチームを勝たせることができないと思う。みんなきょうも頑張ってくれているし、あとは自分が決めるだけだったんですけど、まだまだだなという感じですね」

 1年時から名門で出場機会を得てプレミアリーグでゴールも決めている注目の才能。昨年は1年間レギュラーとしてプレーした。今年は絶対的なエース。だが、本人は「自分のゴールで試合を決めるというところがあまりない」と首を振る。自分が試合を決めるプレーをして勝つこと。自分が成長しなければ、変わらなければ、頂点に立つことはできない。だからこそ、福田湧矢はもっともっと、気持ちを込めてプレーをして、試合を決める存在になる。

(取材・文 吉田太郎)

●2017プレミアリーグWEST

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