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13日デュッセルドルフ国際ユース開幕戦勝利へ!日本高校選抜は「先手必勝」

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日本高校選抜は12日、デュッセルドルフ市内で最終調整を行った

 高校サッカーのヒーローたちが、高校サッカーの代表として世界と戦う。第55回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会(ドイツ)が現地時間13日に開幕する。第95回全国高校サッカー選手権の大会優秀選手を中心に構成された日本高校選抜は、開幕試合で地元のフォルトゥナ・デュッセルドルフと対戦。欧州、南米、そしてアジアから参加した10チームの頂点を懸けた戦いをスタートする。

 8日に日本を出発した日本高校選抜はオランダを経て、現地時間12日にドイツ入り。オランダでは2試合の練習試合を行い、アルメレ・シティ戦を2-1で逆転勝ちすると、U-18オランダ代表との第2戦ではDF三國ステイビアエブス(青森山田高→順天堂大)とDF杉山弾斗(市立船橋高3年)のゴールによって2-2で引き分けた。栗田和彦団長(桜修館中等教育学校)によると、「こっちの方がいいゲームだった。向こうからもグッドゲームと言われた」内容だったという。チームは手応えを持って“本番”に臨もうとしている。

 12日はGK廣末陸(青森山田高→FC東京)とGK山ノ井拓己(静岡学園高→福岡)のGK陣は短い時間で集中したトレーニング。フィールドプレーヤー16人についてはクールダウンのみで最終調整を終えた。チームは遠征直前に大学の入学式、入寮式に参加した選手などコンディションが十分でなかったことから、オランダ入りした後に一度負荷をかけたトレーニングを実施。その後、移動や連戦、大会スポンサーの訪問などのイベントもあって、メンタル面を含めて疲れが溜まっている状況だった。それもあって、黒田剛監督(青森山田高)は「今、疲労が蓄積してきているときかなと。だから、きょうはコンディショニングだけで終わろうと」と決断。肉体的にも精神的にもリラックスして初戦を迎える。

 チームは想定通りの準備ができている。U-18オランダ代表戦は2度先行しながらも2度追いつかれてのドロー。デュッセルドルフ国際ユースに出場するクラブユースチーム以上とも言える強豪相手にセットプレーから三國のヘッド、FW町野修斗(履正社高3年)のスルーパスから攻め上がった杉山がゴールを決めて2点を奪い、守備についてや攻守の切り替えなどできたことも多かったという。MF住永翔主将(青森山田高→明治大)は「反省点もしっかりと見えて、やっぱり海外の選手とのプレーがどういうものなのか一人ひとりが肌で感じることができている」と語り、黒田監督も「ちょっとした改善点も持ちながら明日の本番に向かって行けるということで今のところ、悪くはないかなと」と前向きだ。

 いよいよ迎える初戦。選手、指揮官は欧州の音楽を使った独特の大会の盛り上げ方などにリズムを崩さず、集中して試合に入ることを意識している。また、25分ハーフという高速展開必至のゲームは入りが非常に重要だ。「サッカーをやっている人間としてはそれ(会場の雰囲気)くらいでは飲み込まれちゃいけないと思う」と語った住永は、「サッカーの本質として楽しまなければならないので、楽しみながらやらないといけないんですけれども、その中で日本の代表として来ているからには結果にこだわらないといけないので、やっぱり優勝するためにまずは明日の試合だったり、過ごし方という部分が全部サッカーに直結すると思うので、そこで方向性を間違わないようにというところは伝えたいです。(初戦は)白星で、とにかく1-0でも、2-1でも何でもいいので勝って、大会を上手く入れるようにということが大事かなと思っています」と必勝を誓った。

 そして、黒田監督は「今までのトレーニングゲームで選手たちは戦術的なところも受け止めながら練習に取り組んでいる姿がある。日頃、3年間各チームで揉まれてきている選手たちなので、その点はきちっと取り組んできてくれているなという印象です。短いゲーム時間なので、先手必勝ということを意識しながら、最初から上げていきたいなと思っています。やるからには優勝目指してやりたいですし、チーム立ち上げの時からそこを目標にやっているので、何とかやってくれるとは思っている」。王者・ザルツブルク(オーストリア)と同組の予選リーグ首位突破へ向けた大事な初戦。まずは地元チームを沈黙させるような試合をして、スタートダッシュを決める。

(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ

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