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王者・ザルツブルクと0-0ドロー!無敗の日本高校選抜、決勝T進出へ前進!

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日本高校選抜MF飯島陸がカットインから左足を振り抜く。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.15 デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ 日本高校選抜 0-0 ザルツブルク]

 日本高校選抜、王者とドロー! 15日、日本高校選抜は第55回デュッセルドルフ国際ユース大会予選リーグ第3戦で大会2連覇中のザルツブルク(オーストリア)と対戦し、0-0で引き分けた。予選リーグ3試合を終えて2勝1分(全3試合無失点)の日本高校選抜は1試合消化試合の多い状況ではあるものの、GROUP 1で暫定首位。16日の予選リーグ最終戦で決勝トーナメント進出の2位以内を懸けて3位・ノアシュラン(デンマーク)と戦う。

 最低限のノルマは果たした。ザルツブルク戦開始の3時間半前まで行われていたマインツ戦を苦しみながらも1-0で勝利。2戦2勝とした日本高校選抜は絶対に負けないこと、そして3連勝を目指してザルツブルク戦に臨んだ。

 その中で結果は0-0ドロー。黒田剛監督(青森山田高)は「1回も負けていないチーム(日本高校選抜)との直接対決になってくるので、相手が闘志むき出しで来ることは大体見えているはずだし、そこで受けにならないようにというところと、失点をしなければいいのであわよくば1点取ってというところで、0-0の戦い方というコンセプトで言えば良かったと思う」と分析。もちろん満足はしていなかったが、強敵との2連戦を1勝1分で終えたことを前向きに捉えていた。

 日本高校選抜はマインツ戦から先発4人をチェンジ。GK山ノ井拓己(静岡学園高→福岡)とCB佐藤瑶大(駒澤大高→明治大)、FW飯島陸(前橋育英高3年)が今大会初めて先発し、FW町野修斗(履正社高3年)が2試合ぶりに先発復帰を果たした。4-5-1システムのGKが山ノ井で右SB三国スティビアエブス(青森山田高→順天堂大)、CBは佐藤と阿部海大(東福岡高3年)、左SB杉山弾斗(市立船橋高3年)。中盤は金子大毅(市立船橋高→神奈川大)と住永翔主将(青森山田高→明治大)のダブルボランチで右MFが飯島、左MFが鳥海芳樹(桐光学園高→桐蔭横浜大)、トップ下に町野、1トップは安藤瑞季(長崎総科大附高3年)が務めた。

 金子が「今までの相手と違って1タッチでポンポンと繋いできたり、結構嫌なポジションを取ったりしてきたんで捕まえるのが難しかったです」と説明したように、ボールをテンポよく動かすザルツブルクとの主導権争いに。連戦の影響もあったか、日本高校選抜はマインツ戦に比べると縦パスを入れられる回数や、ルーズボールを相手に拾われる回数も増えてしまっていた。

 それでも守備意識高く守る日本高校選抜は阿部と佐藤の両CBが身体を張って起点を潰したり、上手くFWと入れ替わってインターセプトしたりするなど相手の攻撃をPA手前で食い止める。また右サイドの三国と飯島、左サイドの杉山と鳥海が何とかクロスを上げさせないコンセプトを果たそうとし、特に守備面での存在感光る金子が住永とともに中盤で奪いきれなくてもボールを引っ掛けてザルツブルクの攻撃の流れを断ち切ろうとしていた。

 相手をスピードに乗せてしまうシーンもあったが、全く決定打を打たせなかった日本高校選抜は攻撃面でも取られ方の悪かった序盤から精度を徐々に上げて、チャンスの回数を増やしていく。住永と金子のパス交換からサイドへボールを運ぶなど幅を使った攻撃を展開。11分には鳥海の左クロスに飯島が飛び込み、21分には右サイドからワンツーでPAへ切れ込んだ飯島が左足を振り抜く。そして22分には左サイドでボールを持った鳥海がマークするDFを上手く外してグラウンダーのクロス。これに安藤が決定的な形で飛び込んだが合わせることができず、直後にも鳥海とのコンビからインナーラップした杉山がラストパスを狙ったが、得点には結びつかなかった。

 後半立ち上がり、ザルツブルクはカウンターから日本の守りの薄いところへボールを配球。PAまでボールを運んでシュートに結びつけたり、直接FKなどからゴールを狙ってきた。だが、GK山ノ井が慌てることなく処理。そして高校選抜は右SB三国がカットインから左足シュートを放つなど攻め返す。町野をマインツ戦決勝ゴールのFW伊藤龍生(米子北高→鹿屋体育大)にスイッチした後の11分には、右中間から杉山が蹴り込んだ左足FKが混戦のゴール前を抜けたが、GKがキャッチ。直後の12分には右サイドから上手く内側のスペースをついた飯島が中央でフリーの伊藤へラストパスを通す。だが、ダイレクトで狙った伊藤は上手く合わせられなかった。

 日本高校選抜は18分、飯島に代えて左MF松本泰志(昌平高→広島)を、21分には安藤に代えて右MFにDF常盤悠(尚志高→新潟医療福祉大)を投入する。ドリブル冴える鳥海を中心に相手ゴールへ迫った高校選抜だったが、1点を奪えず。それでも背後を突いてくるザルツブルクの攻撃に対して落ち着いてラインコントロールし、オフサイドを取るなど相手にも最後まで得点を与えなかった。

 50分間勝負で1点の重みが大きいだけに守備のリスクを消すことが第一。選手たちがそのタスクをしっかりと果たしての3試合連続無失点だが、黒田監督は「(攻撃面で)もうちょっとゴール前のところの加速と言うか、スピードとかかわりのところをもっと高めて、ゴール前にパワーをもって入れるような状況をつくっていかなければならないと思っている」と要求する。相手の力強いDF陣相手に前線の個だけでゴールを奪い切ること難しい。杉山、三国の両SBがクロスオーバーしていく形は効果を発揮しているだけに、その回数を増やすなどして、勝つためにゴールを奪いに行く。

 ノアシュラン戦は引き分けでも決勝トーナメント進出が決まる状況だが、黒田監督は「ここに全精力を注いで1位で抜けたい」と語り、金子は「やっぱり運動量をみんながもって、(守備面で)しっかり縦を切って、サイドを取らせないというテーマを意識しながらプレーして、その中で攻撃でみんなが連動しながら良い形つくってシュートチャンス多く作っていければ自ずと結果は出てくると思う」。まずはそれぞれがチームとしてやるべきことを徹底すること、その質を高めること。しっかりと予選リーグ最終戦を勝ち切って首位で決勝トーナメントへ進出する。

(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ


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