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5試合目で初先発のMF大塚諒が1ゴール&PK奪取の活躍!「神様が見ているのかなと思ったくらい」

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前半2分、日本高校選抜はMF大塚諒(右)が先制ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.17 デュッセルドルフ国際ユース大会5位決定戦 日本高校選抜 3-0 クルゼイロ]

 デュッセルドルフ国際ユース大会5試合目、そして日本高校選抜としての最終戦で訪れた初先発のチャンス。出場機会に飢えていたMF大塚諒(前橋育英高→立教大)が見事に集中力を発揮し、勝利の立て役者となった。

 試合開始から4分間でやり遂げた2つの大仕事。まずは前半3分、左サイドを縦に突いたMF鳥海芳樹(桐光学園高→桐蔭横浜大)のラストパスをゴールエリアへ飛び込んだ大塚が1タッチでゴールへ押し込む。これまでの4試合で出場時間がわずか5分ほどだったMFがチームに3試合ぶりとなるゴールをもたらした。

 右手人差し指を突き上げて歓喜を爆発する大塚の下に、彼の悔しさを知るチームメート達が一斉に駆け寄る。本来ボランチの大塚がほとんど経験のないトップ下のポジションで決めた先制弾。「やったことなかったポジションだったので、どう入ったらいいのか分からなかったんですけれども、自分なりに考えてやってみました。ゴール前にどれだけ突っ込んで行けるかというところでそれが得点に繋がったので良い入りができた」と会心のゴールを振り返った。

 大塚はその1分後、後輩FW飯島陸(前橋育英高3年)からPA右端の位置でパスを受けると、絶妙な切り返しで飛び込んできたDFのファウルを誘ってPK獲得。「本当に今日は神様が見ているのかなと思ったくらい。上手くできたんで良かったです」という2つめのビッグプレーで獲得したPKは、今大会無得点のFW 安藤瑞季(長崎総科大附高3年)に譲り、安藤の右足シュートが決まると真っ先に駆け寄って喜びを分かち合った。

 前橋育英のキャプテン、中盤の柱として全国高校選手権準優勝。だが、高校選抜では金子大毅(市立船橋高→神奈川大)と住永翔(青森山田高→明治大)に続く3番手のボランチという立場だった。チームの“心臓部”である彼らがフル出場を続ける中、仲間達のプレーをピッチの外から見守るしか無かった。それでも訪れた初先発の機会で大塚はチームに2点をもたらすと、その後も持ち前の運動量とセカンドボールの回収で貢献。フル出場して高校選抜でのラストゲームを白星で飾った。

 高校選抜での経験は自身にとって価値のあるものになった。「悔しさはたくさんあったんですけれども、こうやっていい経験もできたので、この経験を大学でも活かして続けていきたいと思っています。特にセカンドボールのところは自分で予測して拾えていたんで、その後の繋ぐという部分で下げることも多かったんですけれども、そこをどんどんチャレンジしていくというのがこれからの課題になると思いますし、海外でも自分のセカンドボールについては通用すると思ったんで、それをどんどん上げていって、もっともっとゴール前に絡んでいける選手になっていきたい」。ほぼぶっつけ本番だったトップ下でのプレーについても「気持ちいいですね、得点決めると」と爽やかに振り返った164cmのMFが、悔しさを力に変えた経験を忘れずに、次のステージでも訪れたチャンスを必ず結果に結びつける。

(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ

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