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俺はチャンスを逃さない!! “エース”証明のFW小川航基、2得点も「満足したら終わり」

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2得点を奪ったU-20日本代表候補FW小川航基(磐田)

[4.18 練習試合 U-20日本代表候補4-1千葉 フクアリ]

 この世代のエースは俺だ――。千葉との練習試合(30分×3本)に先発出場を果たしたFW小川航基(磐田)は2ゴールと結果を残し、自身の存在価値をまざまざと見せ付けた。

 対戦相手の千葉はハーフウェーライン付近まで最終ラインを押し上げ、前線からプレスを掛けてくるため、自陣の広大なスペースをGKがカバーする場面が多くなり、この試合でもGK山本海人が何度もPA外まで飛び出してクリアする機会が訪れた。そして、その隙を突いたのが小川だった。

 1本目の8分、相手を背負いながらもMF坂井大将(大分)の縦パスを呼び込み、粘り強く前を向くと、「GKがすごく出てくる傾向があった。前に出ていたら取れないんじゃないかと思って、前に出たときに一発狙ってみた」とミドルレンジからシュートを狙う。ボールは前目にポジションを取っていた山本の脇を抜けると、ゴール左に突き刺さって先制点が生まれた。

 その後も「裏を狙いつつ、オフサイドに引っかからないように心掛けていた」と、独特な戦術を採用する千葉の最終ライン裏を狙い続ける。そして、2本目の19分にはDF町田浩樹(鹿島)のロングパス1本で抜け出すと、鮮やかなファーストタッチでボールを落ち着け、相手GKの動きを見極めて冷静に流し込んで2点目を記録。この得点は、1本目で見えた相手守備の攻略法を実践して生まれたものだった。

「裏に抜ける工夫が必要だと1本目で分かったので、(1本目終了後に)自分がこういうところに動くから出してくれと言っていた。斜めに動くことでGKも出づらいし、直線的な動きが前半は多かったので、動きの質を変えた結果が得点につながったと思います」

 3本目はベンチに下がったものの、60分間の出場で2得点と結果を残した。「チャンスを逃さないのはFWにとって重要。自信になる」と振り返りつつも、「満足はしていない」とキッパリと言い切った。「もっとシュート数を増やしたり、3点目を取りに行くのも大事だし、満足したら終わりです」。そして、このチームではエースとして君臨し続けてきたが、「安心感はない」と話すように、限られた時間の中でさらなる進化を遂げ、1か月後のU-20W杯に臨もうとしている。

(取材・文 折戸岳彦)
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