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東福岡CB阿部海大がデュッセルドルフ国際ユース大会のベストDF賞を獲得!

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デュッセルドルフ国際ユース大会のベストDF賞に選出されたCB阿部海大。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[4.17 デュッセルドルフ国際ユース大会5位決定戦 日本高校選抜 3-0 クルゼイロ]

 第55回デュッセルドルフ国際ユース大会のベストDFに日本高校選抜のCB阿部海大(東福岡高3年)が選出された。チームは5位という結果に終わったが、守備面では5試合でわずか1失点。阿部は全5試合で先発し、最終ラインの中心としてチームに堅守をもたらしていた。

 表彰式で名前がコールされると、阿部はスタンドの観衆へ向けて右手を大きく振るパフォーマンス。笑顔で表彰を受け、チームメートたちから拍手で迎えられていたが、素直には喜ぶことのできない個人賞選出だった。

「個人として賞をもらえたことは嬉しかったんですけど、1失点して決勝トーナメントへ行けなかったことに関してはやっぱり悔しい。チームの結果が出て、個人の結果がついて来ると一番嬉しいんですけど……」。わずか1失点が敗退に繋がっただけに、そのことを悔しがっていた。

 それでも、本人にとっては自信を深める受賞だ。3連覇を達成したザルツブルク(オーストリア)やリバプール(イングランド)のDFたちを差し置いての選出。特に対人の強さは大会を通しても目立つほどであり、「評価されたポイントは)身体をぶつけたら負けることはなかったし、めっちゃ獲れていたのでそういうところだと思います。対人の部分では負けなかった」と手応えを口にした。力強い当たりで相手の起点を潰し、上手くFWと入れ替わってインターセプトするシーンも何度も見られた。大会の中でパフォーマンスを上げ、空中戦でも強さを発揮。対人の攻防については2月に行われたU-18日本代表のスペイン遠征でも通用した実感を持っていたが、改めてそれが世界と戦える武器であることを知ることができた。

 高校選抜の活動を終え、今後は東福岡で日本一、そしてプロ入りなど将来を懸けた戦いに挑戦する。「海外でも対人とかは通用すると分かった。あと、高校選抜のサッカーをみんなが100パーセントできたら強いと思うので、PAに入れさせない守備だったり、ポケット(DF間のスペース)に入れさせない守備だったりというのをヒガシでも守備のリーダーとして伝えていきたいと思っています」と語った。

 大会最終日の出発前ミーティングでは、モチベーションビデオに登場した先輩MF藤川虎太朗(東福岡高→磐田)からのメッセージに苦笑い。2冠王者・東福岡の10番を背負って全国のDFたちの厳しいマークを受けながら戦っていた藤川のように、阿部は全国のストライカーたちの挑戦を受けることになる。「この遠征でも(長崎総科大附の注目FW安藤)瑞季がいたし、瑞季は大分にいた時から仲がいいので全国の舞台でも戦いたいです」。“赤い迎撃機”こと注目CB阿部はこの1年、ライバル達との戦いを制して東福岡を頂点へ導き、その上で自身の評価も獲得する。そして、自身の将来を切り開く。

(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ

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