[4.17 デュッセルドルフ国際ユース大会5位決定戦 日本高校選抜 3-0 クルゼイロ]

　高校サッカー界注目のストライカーがデュッセルドルフ国際ユース大会最終戦で待望の初ゴールを決めた。1-0の前半4分、日本高校選抜はMF大塚諒(前橋育英高→立教大)がPKを獲得。「自分は1点決めていましたし、瑞季が今大会決めていなかったので、プレゼントという形で良かったですね」という大塚からPKを譲られたFW安藤瑞季(長崎総科大附高3年)が右足でゴールを破った。

　チームの勝利を最優先にプレーしつつも、どうしても欲しかった1点。PKという形ではあったが、1点を決めた安藤は「今日、最終的にPKでしたけれど、諒くんのおかげで1点取れたことは嬉しかったですね」と素直に喜んでいた。

　チームは2勝1分1敗という成績を残しながら、総得点差によって決勝トーナメントに進むことができなかった。自身は4試合全てで先発しながらも無得点。その分、スペースへの動きやポストプレー、そして守備面でも健闘していたが、ストライカーとして結果を残してチームを優勝へ導くことができていなかった。

　周囲からの期待にゴールで応えられなかったという悔しさがある。それでも、今年の高校選抜ラストゲームでチームが勝利し、自身も決めたことによって良い形で大会を終えることができたと感じている。しかも、この日は抜け出しから一気にゴールへ迫る動きなど自身の武器も発揮。「流れの中で点取れなかったのは悔しいですけど、最後負けなくて終われたことは大きい」と語った安藤は、「来年もできればこの舞台に戻ってきて、次は自分の力で点を取れるように頑張りたいです」と可能であれば、再び日本高校選抜としてデュッセルドルフ国際ユース大会に戻ってきて、今度はエースとしてゴールでチームを勝たせることを誓った。

　今年は、国内で大注目されるストライカーの一人として1年間を過ごすことになる。その中で、長崎総科大附のエースとして日本一、そしてプロを目指し、年代別日本代表でも活躍することを目指す。「(欧州で)学べたことは自分の中で負けん気ですね。相手が強くてそれに屈して自分ができないと思ったら何もできないと思うし、強い相手だからこそ立ち向かってチャレンジするその気持ちをなくしたらダメだと思いました」という欧州で学んだチャレンジ精神をどんな相手でも、どんな状況でも心に持ち続けてチームを勝たせるFWになる。

(取材・文　吉田太郎)

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