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人生変えます!! U-20W杯に挑むG大阪MF堂安律、世界を相手にしても「全部持っていきたい」

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ガンバ大阪のU-20日本代表MF堂安律

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 昨年10月に行われたAFC U-19選手権で大会MVPを獲得し、チームのアジア制覇、そしてU-20W杯出場権獲得に貢献したガンバ大阪MF堂安律。高校2年時にトップチームに2種登録され、クラブ史上最年少リーグ戦デビューを果たすなど“G大阪の至宝”とも呼ばれる男が、高校を卒業して迎えた新シーズンで抱える葛藤、そして5月に韓国で行われるU-20W杯への熱い思いを語った。

「何でやろ」と思う反面
自分の力が足りていない


――昨季は高校3年生ながらもトップチームに飛び級昇格してJ1リーグ3試合に出場し、J3リーグでは21試合10得点の結果を残しました。
「J3の試合に出続けることで試合勘が落ちずにすんだし、90分間走り切る体力は課題だったから、そういう部分も向上させられました。あとはゴールに対するエゴや点を取る能力も、J3の舞台で身に付いたと思う。ただ、J1の舞台でプレーしていたら、もっと成長できていたかもしれないし、もしかしたら調子に乗って天狗になっていたかもしれない。どうなっていたかは分からないけど、チームからはJ3で実戦を積むのが一番だと思われていると感じていたから、そこで結果を残せたのは良かったと思っています」

――15年に2種登録されてJデビューを飾ってから(15年J1第1ステージ第10節鹿島戦でデビュー)、2年が経ちました。トップチームでのプレー経験を積むことで、成長も感じていると思います。
「フィジカル的な部分や、相手がトップの選手でも抜き切る力は身に付いてきたと思う。それまでは相手を抜いたと思っても追い付かれてしまう部分があったけど、今は相手を弾けるし、競れる力が付いてきています。フィジカルの強さは自分の特長の一つだと思っていて、フィジカル勝負を自分から挑むくらいなので、フィジカルの強い海外のチームと対戦したときは、より自分らしさが出ているのかなと感じます」

――今季は先発出場こそないものの(J1第6節、ACL第4節終了時点)、J1とACLで10試合中7試合に途中出場しています。
「去年よりも自分に自信を持っているから、スタートから出られないのは『何でやろ』と思うところもあるし、当然悔しさもある。その反面、スタートから出られないのは、やっぱり自分の力が足りていないと思っています。ただ、出場時間が短い中で、やるべきことはやれていると思うし、ピッチに立ったときには波のないパフォーマンスができていると感じます。ACL第4節の江蘇蘇寧戦では自分の特長を出せたと思っているので、スタートから出られないと言っても、そこまでの焦りはありません」

――3-5-2のシステムが採用されるようになってからは、右ウイングバックの位置で多く起用されていますが、そのポジションでのプレー経験は?
「いろいろなポジションを経験してきましたが、ウイングバックでのプレー経験はありませんでした。最終ラインまで戻って守備に回ることもあるので難しさはありますが、自分が投入されたときはボールを持てている展開が多く、(長谷川健太)監督からは流れを変えるために仕掛けてほしいと言われています」

――守備は苦手だと話していたこともありました。
「昔は本当にそうでした。ただ、守備で頑張るところが分かってきたし、相手について行くところ、ここは危険だなと感じる力とかは身に付いてきているし、その頃に比べたら成長していると思いますが、まだまだ全然足りない。対人の部分や足の運び方、アジリティーの部分とか、他の選手と比べてできていないことの方が多いです。ウイングバックで先発している(初瀬)亮くんや(オ・)ジェソクは、やっぱり守備面での安定感があるから、自分と比べると監督もスタートから使いやすいと思う。だからこそ、自分も守備ができるようにならないといけないというのは分かっています」

リスクを冒しづらく
一か八かのプレーはできない


――ウイングバックの位置でボールを受けたとき、一番良いイメージのプレーは?
「縦に抜けてサイドを崩すことや切り返してクロスを上げていくプレーを監督から求められていると思いますが、ゴールに直結するプレーが自分のスタイルだと思っているので、ゴールから遠い位置からの仕掛けが多くなるウイングバックでの理想的なプレーをイメージするのは、まだ難しいですね。仮に一人はがしても、すぐにゴールに向かえる距離ではないと分かっているので、ウイングバックのときは簡単にはゴールを目指せない。もちろんチームのためにプレーしているので、そこの気持ちの切り替えは大事だと思うし、他の部分でも何かしないといけないと思ってピッチに立っています」

――(第6節)広島戦の後半23分のプレーでは井手口陽介選手、アデミウソン選手との連続ワンツーで中央のエリアに進入してシュートまで持ち込みました。
「あれは自分のイメージでした。あのときは3バックに入っていた(丹羽)大輝くんが上がってきていて、距離が近いと思ったし、大輝くんが上がれるようにと考えて中に入って行った。監督から求められているプレーではなかったかもしれないけど、次の日のミーティングでは『こういうプレーもありだと思う』という話をしていたので、3バックをあまり上げさせないことを考えつつ、試合状況に応じてそういうプレーも出せていければと思います」

――U-20日本代表では右サイドハーフで起用されていますが、後方に味方がいるのと、いないのとではプレーの選択も変わると思います。
「ウイングバックだと、後ろに味方がいないからリスクを冒しづらいし、そこで安易な一か八かのプレーはできません。攻撃はリスクを冒さないと良いプレーができないと思っているので、後ろで守ってくれる選手がいるだけで気持ち的にも仕掛けやすくなるし、サポートに来てくれることで自分のプレーの幅も広がる。攻撃面だけを考えれば、サイドハーフの方が自分の持ち味は発揮しやすいと思うし、キャンプのときにやっていたトップ下は自分の色も出しやすかったので楽しかったけど、今はシステムも変わってウイングバックでの起用が増えています。葛藤もありますが、試合に出させてもらっているので、そのポジションでチームに貢献しないといけないと感じています」

アジアMVPは少し得!?
自分的には運が良かったかな


――韓国で行われるU-20W杯が1か月後に迫り、気持ちも高まってきているのでは?
「3月に行われたU-20代表のドイツ遠征では、90分間試合ができると思っていたから楽しみにしていたけど、自分自身のパフォーマンスは良くなかった。でもドイツから帰って来て、ガンバでのここ数試合は体にキレがあって、コンディションも上がってきていると感じています。スタートから出たら『どうなんや』と思う人もいると思いますが、自信は持っています」

――昨年10月のAFC U-19選手権で優勝してU-20W杯の出場権を獲得してから、この大会に賭ける思いは相当強かったと思います。
「ガンバで先発で出られなくても、U-20W杯があるから腐っていられないという気持ちはあったと思う。当たり前だけど、ガンバで先発で試合に出ないといけないというのは分かっています。でもU-20W杯の出場権を獲得してから、そこに対するモチベーションもあって、より一層練習を無駄にしたらいけないと思えたし、コンディションも落とせないと感じていました」

――本大会では南アフリカ、ウルグアイ、イタリアと対戦します。
「どのチームも強いと思うけど、初戦の南アフリカ戦は絶対に落とせないという話はチームメイトともしています。第2戦でウルグアイ、第3戦でイタリアと対戦することを考えると、南アフリカ戦を落としたらグループリーグ突破の可能性は低くなるから、初戦は本当に大事だと思う。難しいグループかもしれませんが、強いチームと対戦できるのはうれしいし、最高ですよ。ウルグアイ戦やイタリア戦は注目も集まると思うし、相手チームの選手を多くの人が見に来ると思うけど、全部持っていきたいですね」

――世界を相手にどういうプレーで自分をアピールしたいですか。
「アジアでの戦いで気付きましたが、チームが勝たないと意味がないというのは分かっています。U-19選手権の大会前は『自分がやらなアカン』『自分さえ良ければ』という考えが、もしかしたらちょっとでもあったかもしれないけど、そういう考えではダメだし、チームのために戦うことが自分のプレーにつながると実感した。U-20W杯ではチームが世界で勝つためのプレーをして、その中で自分が得点やアシストで貢献したいし、チームが勝ち続ければ自然と注目も集まってくるはずです。ただ、U-19選手権でMVPを取れたのは自分的には運が良かったかなと思っています。あの大会ではなかなか結果を残せなかったし、勝ち上がれたのも大会を無失点で抑えてくれたディフェンス陣のおかげだったので、『何で俺なんやろ』と思っていた。けど、U-20W杯では自分の名前を知らなくても、『あいつ、アジアMVPらしいで』って見に来る人もいるかも知れないので、少し得かな(笑)」

――本当にU-20W杯で世界を相手に戦うことを楽しみにしているようですね。
「どういう結果になろうとも人生を変えられるはずなので、めちゃ楽しみです。チームが勝ち上がって自分も良いプレーを見せていれば、ものすごい跳ね返りがあると思うし、逆の結果になったとしても、『もっと練習しよう』『もっと成長しよう』と思えるはずだから、無駄な経験になることは絶対にないと思う。この大会で人生変えますよ」

――20年には東京で五輪が開催され、この世代は中心となります。
「そこまでは意識してないです。今はU-20W杯があるし、本当に一日一日うまくならないといけないと焦っているくらいなので、東京五輪のときに自分がどうなっているかという想像も全然していません。ただ、そのときも注目されるような、応援されるような選手でいるためにも、これから結果で示し続けていきたいです」

(取材・文 折戸岳彦)





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