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[プレミアリーグEAST]FC東京U-18MF小林幹が決勝点!迷いあった10番は指揮官の檄で「やるしかない!」

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FC東京U-18MF小林幹は決勝ゴールを決める活躍

[4.23 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 FC東京U-18 2-1 市立船橋高 味スタ西]

 結果を欲していたアタッカーが決勝ゴールを決めた。1-1で迎えた前半39分、FC東京U-18はMF平川怜(2年)からのラストパスを受けたMF小林幹(3年)がDFをトラップで外して、右足シュートをゴール左隅へ流し込んだ。

「自分のゴールはほとんど平川選手のゴール。最後は平川選手が良いパスをくれて、前に相手がいたんですけれども、前に行くフリをして引いてトラップしてというイメージ通りにトラップできて、あとシュートはGKが出て来て左隅が空いていると思ったので、流し込むだけでした」
 
 この日は前半23分にもスペースを縫うドリブルでPAまで持ち込んで、MF久保建英の先制ゴールに繋がるプレー。決定機に絡むシーンはわずかだったが、ボールを簡単には失わず、左サイドからPAへ切れ込むドリブルを幾度か見せて市立船橋DFを脅かしていた。

「自分は色々考えてしまう方」という小林は10番として結果を残さなければならないと考えている。だからこそ、本人はアイディアあるパスやゴールに絡むプレーという強みをより見せたいという思いがあるが、それでも、悩んでいたMFにとってはきっかけとなるゴールと勝利だった。

 今季J3で2試合連続ゴールを記録している小林は先週、U-23チームに帯同。J3のC大阪U-23戦で後半40分から出場した。その日はU-23チームもU-18チームも勝利していたが、自身の出場時間は5分間のみ。素直に喜ぶことができなかったのだという。その前週のプレミアリーグ開幕戦でも結果を残せなかったMFは、モヤモヤした気持ちを抱えたまま次の一週間をスタートしていた

 すると、水曜日のトレーニング中に小林は佐藤一樹監督から厳しい檄を受けることに。そのトレーニング後、小林は自ら指揮官の下へ話に行き、自身の抱えている迷いを相談した。そこで佐藤監督が与えてくれたアドバイスは、自分を吹っ切らせてくれるものだったという。「J3では2得点することができて結果を残せるんだから、U-18でも結果を残せるはずだから、自信を持ってやれ」。それらの言葉で考えすぎてしまっていた10番の心は固まった。「やるしかない」。この日の市立船橋戦は本人としても満足の行くレベルではなかったものの、吹っ切れたMFは仕掛け、ゴールに絡む活躍を見せた。

 佐藤監督も喜ばせた小林のゴール。指揮官は「点を取ったことによって、90分の中でもっと多く関わってというところにも前向きに取り組んでくれればいいと思うし、きっかけになってほしい」と期待を込めた。

 本人ももっともっと自分がやらなければならないという強い使命感を持っている。だからこそ、「やるしかない」の気持ちを持って、また次の一週間に全力で取り組むだけ。「今年はJ3とプレミアその週によってどっちに行くかわからないんですけど、自分が与えられた場所でしっかりと結果を残して、チーム的には去年果たせなかった3冠を目指して一試合一試合、一回の練習から突き詰めていければいいと思っています」。今後も自身で積み上げ、結果を残すこと。再び悩むことがあっても、日常から自分がやるべきことを貫いて壁を破る。

(取材・文 吉田太郎)
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