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宇佐美貴史を地元紙が批判、ライバルを休ませた監督の判断には「教育を受ける必要なし」

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地元紙に批判されたFW宇佐美貴史

 ブンデスリーガ第30節消化時点で16位に低迷するアウクスブルクは、2部降格が現実味を帯びている状況だ。そんな中、地元紙『アウクスブルガー・アルゲマイネ』は日本代表FW宇佐美貴史を酷評している。

 アウクスブルクを率いるマヌエル・バウム監督は22日に行われたアウェーマッチ、フランクフルト戦で宇佐美を2試合連続で先発起用した。試合序盤に先制点を奪うと、57分には最初の交代として宇佐美を下げ、FWユリアン・ギュンター・シュミットを投入。だが、負傷明けの選手たちの交代を強いられたアウクスブルクは78分に追いつかれ、さらに終了間際に2失点を喫して1-3で敗れている。

『アウクスブルガー・アルゲマイネ』は、この試合の選手評価で宇佐美のプレーに関して「彼は(アウクスブルクで)成功するのだろうか?少なくとも努力はしていたが」との寸評を記載した。採点はチーム単独ワーストの「5」をつけている。同紙の宇佐美に対する批判はそれだけにとどまらず、後日に掲載されたチームの不振の分析でも「フランクフルト戦でも主に今季開幕前に獲得した選手たちが姿を消した。宇佐美貴史が特にそうなっている。ジョナサン・シュミットも良くなかった」と記している。

 また同紙は別の記事で、フランクフルト戦でギリシャ代表DFコンスタティノス・スタフィリディスを起用しなかったバウム監督の判断に疑問を投げかけた。その際、「ケルンに2-1で勝利した試合と同様、宇佐美貴史は再び異物のようだった。そうすると、ギリシャ人選手を(何らかの問題を起こしたため)反省させるために休ませたとしか考えられない。理由はその他にあり得ない。スタフィリディスの方が宇佐美より残留争いで価値があると認識するためには、監督としての教育を受ける必要がないからだ」と宇佐美を起用するべきではなかったと主張している。

『アウクスブルガー・アルゲマイネ』は25日にバウム監督を擁護する内容の記事を掲載。そこでもDFマルティン・ヒンターエッガーを除く新戦力が批判の的になっており、「ゲオルグ・タイグルやゴイコ・カチャルは少なくとも満足できる数試合を見せてきた。だが日本人選手の宇佐美貴史、元ホッフェンハイムのジョナサン・シュミット、冬のオフ中にラツィオからやってきたモリッツ・ライトナーはほとんど姿を消している」と新メンバーの低パフォーマンスをチームの低調の一因として挙げている。

 アウクスブルクは昨夏、元ダルムシュタットのディルク・シュースター監督を招へいしたが、首脳陣は昨年12月にプレースタイルが守備的すぎるといった理由から監督交代を決断している。そして、それまで同クラブのユース部門を統括していたバウム監督をトップチームに引き上げた。しかしながらバウム監督の下で臨んだ16試合で獲得した勝ち点は18(5勝3分け8敗)にとどまり、状況は悪化したとさえ言えるかもしれない。

 確かにゴールやアシストをマークしていない宇佐美だが、バウム体制の下で先発出場を果たした5試合でアウクスブルクは3勝を記録している。批判を繰り返す『アウクスブルガー・アルゲマイネ』の記者は、明らかにアイデンティティーを失ったチームを救う存在として宇佐美に期待し、その裏返しに同選手を批判しているのだろうか。


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