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第3補給処が「入間ダービー」制して4年ぶり決勝へ:自衛隊サッカー

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決勝進出を喜ぶ空自3補の斉藤雄太士長

 第51回全国自衛隊サッカー大会は28日に駒沢補助競技場で準決勝2試合を行い、第1試合は、航空自衛隊第3補給処サッカー部(以下、空自3補)が2-0で航空自衛隊入間・横田基地サッカー部(以下、空自入間・横田)を破り、優勝した第47回大会以来4年ぶりの決勝進出を決めた。

 空自第3補給処が入間基地内にあるため、両チームの対戦は、選手の多くが顔見知りの「入間ダービー」となった。前半は互いに様子を伺うスローな展開でスコアレス。試合が動いたのは、後半だった。空自入間・横田は後半4分に左DF高橋広太(3曹・武相高出身)がスペースを突破してクロスを供給。飛び込んだFW駒井光樹(士長・武南高出身)がボレーで合わせたが、クロスバーに嫌われて先制のチャンスを逃した。すると、5分後には空自3補にチャンスが巡って来た。中盤をコントロールしていたMF斉藤雄太(士長・平成国際大出身)がドリブルで中央突破を仕掛け、複数の相手を引きつけたところで縦パス。最終ラインの背後へ抜け出たFW小木曽真悟(3曹・武蔵越生高出身)が放ったシュートはポストに当たってゴールに入った。小木曽は「今大会は、良い守備ができている。中盤でのプレスが利き始めていたので、ショートカウンターを狙っていた」と手ごたえを話した。

 先制点の影響は大きかった。空自3補は、余裕を持ったポゼッションを展開。ボールを奪えなくなった空自入間・横田は焦りが募り、統率が乱れた。相手ボールを追ううちに運動量が落ち、前線へ効果的にパスを供給できなくなった。空中戦に強いFW橋本開(士長・東京国際大出身)の存在が強みだったが、サイドへ引っ張り出されることが多くなり、ゴール前の脅威を欠いた。ペースをつかんだ空自3補は、後半19分に途中出場のMF大串勇理(1曹・大井高出身)がPA内で倒されてPKを獲得。小木曽とともに前線で激しいチェイシングを仕掛けていたFW田代廣奈(士長・秀岳館高出身)がシュートを決めて勝利を決定付けた。

 空自入間・横田も試合終盤に右DF畑中幸大(士長・北星学院高出身)のクロスを主将の田中一彰(3曹・武蔵越生高出身)がヘディングで合わせたシーンがあったが、ゴールを奪うことはできなかった。田中は「1点を取られた後、戦い方を変えずに様子を見るか、すぐに1点を取り返しに行くのかをピッチ内で判断して統一できれば良かった。圧倒的にやられたならともかく、こっちにも能力のある選手がいたし、負けたのが悔しい」と勝負のポイントをつかめなかった悔しさをにじませた。

 翌29日には味の素フィールド西が丘で3位決定戦と決勝戦が行われる。準決勝を勝った空自第3補給処サッカー部は、最多17度の優勝を誇る海上自衛隊厚木基地マーカスと決勝で対戦。準決勝で敗れた空自入間・横田は、上位3チームに与えられる次回大会の地域予選免除権をかけて航空自衛隊美保基地FCとの3位決定戦に臨む。

■第51回全国自衛隊サッカー大会
<決勝戦>
空自第3補給処サッカー部 vs 海自厚木マーカス
(4月29日、12時30分、味の素フィールド西が丘)
<3位決定戦>
空自入間・横田基地サッカー部vs空自美保FC
(4月29日、10時、味の素フィールド西が丘)
※いずれも観戦無料

(取材・文 平野貴也)

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