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[Rookie League]残り10分から怒涛の4発!昇格組の帝京が過去2年間無敗の流経大柏に逆転勝ち!!

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後半44分、MF宮下正太郎の決勝点を喜ぶ帝京高イレブン

[4.29 Rookie League A Group第1節 流通経済大柏高 2-4 帝京高 時之栖裾野G]

 関東・静岡の強豪18校の1年生が勝利と将来へ向けた強化を目指す「2017 Rookie League」の第1節が29日、静岡県の時之栖スポーツセンターで行われた。上位リーグのA Groupでは15年優勝の流通経済大柏高(千葉)と昇格組の帝京高(東京)が激突。0-2の後半36分からFW照田拓史の3ゴールなど4点を奪い返した帝京が4-2で逆転勝ちした。

 Rookie Leagueで過去2年間無敗(15年8勝1分=優勝、16年6勝3分=2位)だった流経大柏に大逆転勝利を果たした試合後、帝京の選手たちは喜びの輪の中で「帝京魂!」という言葉を口にしていた。入学1か月ほどの選手たちが鍛え抜かれた走力、「帝京魂」を備えていくのはこれから。それでも、主将のCB柳大弥が「帝京は全国で何度も優勝しているチームなんで3年間で胸の星を6個増やしたい」と口にしたように、伝統校のプライドを持って、戦後最多タイの全国高校選手権優勝6回という歴史を持つ帝京を「再び日本一へ」と意気込む1年生たちは、魂の込もった見事な戦いぶりで白星を手にした。

 流経大柏がボールを支配する展開だったが、帝京もすでにAチームの一員として公式戦で先発している柳と左SB石井隼太らが球際厳しい守りを継続して0-0で前半を折り返す。それでも後半5分、流経大柏は右CKから右SB伊藤勇輝がヘディングシュート。これは帝京GK冨田篤弘の好守に阻まれたが、最後は混戦からCB山尾永遠が押し込んで先制した。

 流経大柏は司令塔役のMF木村聖が大きな展開で相手を揺さぶり、そこからMF小山開世やFW上田海波が突破力を活かしてゴールへ迫った。そして27分にも右CKを伊藤が頭で決めて2-0。だが、相手にフィジカル差を見せつけられながらも、MF鳥木秀音とMF石川航大を中心に長短のパスで対抗していた帝京は、松澤朋幸コーチが「後半、スピードと前への推進力が上がったと思います。前半はそれが無かったので。狙いは足元なんですけれども、個人的にはそれに加えて前への推進力が出た時に面白いかなと」と語ったように、後半に上がった攻撃スピードと細かな崩しによって試合をひっくり返す。

 36分、帝京は中盤でボールを奪い返すと、MF宮下正太郎のスルーパスで左中間を抜け出した照田が狭いニアサイドを左足で射抜いて1点差。さらに38分、セットプレーのクリアボールを拾ったMF佐藤悠生がDFラインとGKの間に浮き球パスを入れると、GKの前でボールをコントロールした照田が右足で決めて同点に追いつく。

 終盤に運動量が落ち、守備のリスク管理が曖昧となった流経大柏に対し、止まらない帝京はさらに44分、細かいパスワークで中央突破。最後は照田とのワンツーで抜け出した宮下が右足で決めて3-2とした。帝京はアディショナルタイムにもカウンターから佐藤のパスでDFの背後を取った照田が、ループシュートで決めてハットトリック達成。残り9分からの怒涛の4ゴールによって4-2で逆転勝ちした。

 柳は「後半の初めに2点取られて下向いていたんですけど、声かけて諦めずに逆転できたと思います。一人ひとりが対人とかで負けないように、絶対に相手から逃げないように意識しました」。帝京は昨年、MF三浦颯太やFW佐々木大貴らを中心としたテクニカルなスタイルでライバル達に差をつけてB Group優勝。今年は昨年ほど際立った個性はなく、松澤コーチも「まだ精度のところは求めていかないといけない」と語るが、それでも全体的な質の高さと、復帰したA Groupで優勝候補相手にも「やれる」力を示した。「崩せたのは自信になってくれるのかなと思います」(松澤コーチ)。伝統校復活を目指して年々レベルアップしてきている帝京が、Rookie Leagueでも白星を重ねる。

(取材・文 吉田太郎)
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