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[関東]芝は気にせず…東京国際大はリスク恐れぬ姿勢が実る!慶大に3発完勝で開幕2連勝

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勝利した東京国際大

[4.30 第91回関東大学1部L第2節 慶應義塾大0-3東京国際大 夢の島]

 天皇杯1回戦による中断を明け、第91回関東大学1部リーグ第2節が30日に各地で行われた。東京・夢の島競技場の第2試合では慶應義塾大東京国際大が対戦。東京国際大が3-0で勝利し、開幕2連勝を飾った。

 夢の島で行われた第1試合の専修大vs桐蔭横浜大はスコアレスドロー。良好な天然芝のピッチだったが、その長さゆえにボールが進まず、互いに長いボールに逃げてはパスミスの応酬が続き、最後までゴールは生まれなかった。しかし第2試合では東京国際大がミスを恐れずにトライを続け、慶應義塾大に3-0の勝利を果たした。

 東京国際大を率いる前田秀樹監督は「試合を見ていても、なぜ蹴るんだろう?と思っていました。どこのチームもリスクのないサッカーをやっているのかな。でもうちはボールを取ってから相手に関わっていこうとやっているので、前半から大体打ち合いになる。がんがんにいくので互いにチャンスも出てくる。そういう意味で今はどれくらい自分たちがやってきたことが関東1部で通用するのか、やっています」と言う。

 立ち上がり、慶應義塾大は2列目右サイドのMF小谷春日(3年=藤枝東高)が幾度も仕掛けてはチャンスメイク。サイドからクロスを供給し、見せ場をつくった。また開幕戦で2発の活躍をみせたMF近藤貫太(4年=愛媛)も低いクロスを入れては、相手を冷やりとさせるシーンもあった。しかし得点にはつなげない。対する東京国際大は2列目のMF安東輝(4年=浦和ユース)やMF浅利航大(3年=水戸ユース)が果敢に中へ攻め込む。パスがつながらなくともへこたれず、チャレンジを繰り返した。

 また前田監督が「(うちの)ワイドの選手が中に入ると、(慶大の)SBがつきづらいのか、そこがフリーになる。そこが起点になった」と振り返ったように、東京国際大は慶大のボランチ横のスペースを自由に使うことで、徐々にリズムを作っていった。慶大のSB手塚朋克(4年=静岡学園高)主将は「相手の10番(安東)が内側に入ってくるのはわかっていましたが、ついていきたくないなと……自分のゾーンもありますし、色々考えすぎてしまった。ボランチ横のスペースをSHに使われたのは修正しないと」と悔やむ。

 すると前半20分に試合は動く。安東の右CKにファーサイドのFW進昂平(4年=浦和ユース)が頭で合わせて先制に成功。浦和レッズユースからの“ホットライン”で1-0とリードを奪った。同25分にも決定機。安東の左CK、ニアに飛び込んだ進がシュートも枠を外れた。勢いづく東京国際大。同36分には安東がミドルシュートを放つも、GK上田朝都(2年=横浜FMユース)に止められた。前半を1-0で折り返す。

 迎えた後半、早くに追いつきたい慶大だったが、再びゴールネットを揺らしたのは東京国際大だった。後半2分、カウンターから進が持ち込み、後方から長い距離を走ってきた安東へパス。PA右で受けた10番は冷静にGKをかわし、右足シュートを流し込んだ。2-0と差を広げた。

 前へ出るしかなくなった慶大は後半16分に二枚替え。小谷とFWピーダーセン世穏(2年=FCトリプレッタユース)に代わり、ルーキーMF杉本崇太朗(1年=名古屋U18)とFW宮川類(2年=流通経済大柏高)を入れる。しかしゴールは遠い。後半21分には杉本が迷いなくミドルを放つも力なく、GK伊原清也(4年=聖和学園高)にキャッチされる。同31分にはMF渡辺夏彦(4年=國學院久我山高)のパスに抜けたMF落合祥也(2年=横浜FCユース)がシュートもGK正面。同39分には渡辺がPA左へ仕掛け、自らシュート。ゴール前のこぼれに宮川が詰めたが守護神に阻まれた。

 2点のリードを奪った東京国際大は最後まで攻め手を緩めない。後半30分には浅利と安東の鮮やかなワンツーで右サイドを崩し、折り返しを受けたDF中村彰吾(3年=鹿島学園高)がシュート。これは枠外。直後に進に代わり、ルーキーのFW宇高魁人(1年=長崎総合科学大附高)を投入。1年生FWが大学リーグデビューを果たした。

 そして後半終了間際のアディショナルタイム2分、左サイドで受けたFW町田ブライト(3年=成立学園高)の大きなサイドチェンジをDF古川雅人(4年=佐賀東高)がはたき、宇高が折り返す。受けたMF池添勘太郎(3年=山梨学院高)がキックミスするも、これが“フェイント”に。自ら持ち直しての右足シュートはネットを揺らした。3-0で試合は終了。東京国際大が慶大を下し、開幕戦・流通経済大戦(2-1)に続いての2連勝を飾った。

(取材・文 片岡涼)

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