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闘莉王、超満員の古巣との決戦を楽しむ「あっという間だった」

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試合後、名古屋のゴール裏に駆け寄った田中マルクス闘莉王

[5.3 J2第11節 名古屋1-1京都 豊田ス]

 田中マルクス闘莉王京都サンガF.C.の一員として、昨年まで本拠地としていた豊田スタジアムに帰ってきた。戦前から注目を集めた決戦には、優勝争いでもないこの時期に、J2では異例の3万6755人が集った。リーグ戦では豊田スタジアム史上2番目の観衆を集めたことだった。

 闘将は古巣との一戦を楽しんでいた。「あっという間に試合が終わってしまった」。この日もFWとして先発すると、チームリーダーとしても京都を牽引。前半20分の場面では、MF小屋松知哉がゴール裏の看板を倒してしまうと、名古屋ゴール裏から大ブーイングが飛ぶ。これに反応した闘莉王は小屋松に一緒に看板を起こすように促す。ファンの“怒り”を抑えた行動に、名古屋サポーターも拍手を送るしかなかった。

 試合後に京都のサポーターへのあいさつを終えると、真っ先に名古屋サポーターが陣取るゴール裏に駆け寄って深々と一礼。「正直、自分が出ていきたかったわけではないので、グランパスを愛する気持ちは変わらない。名古屋グランパスというチームへのリスペクトはどこに行っても変わらないので」と試合後も感謝を語った。

「この時期にこれだけの観客が来てくれるというのは、いろんなことやってきて良かったなと思います。でも僕が知っているグランパスはJ1の優勝争いをしているグランパス。トロフィーを掲げて喜んでいるグランパスなので、決していいことではないと思います」

 チームとしては課題が残る試合になってしまった。勝利目前、前半40分のFWケヴィン・オリスのゴールで奪ったリードを守り抜くだけだった後半アディショナルタイムに失点し、試合はドローで幕を閉じた。「決して悪い試合ではない」と振り返りながらも、「もう1点追加できれば試合は終わっていた。勝ち切らないといけない」とチームメイトに奮起を促していた。

(取材・文 児玉幸洋)
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