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[プレミアリーグEAST]止まらないドリブラー、MF椿直起が狙うU-17W杯出場とトップデビュー

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横浜F・マリノスユースのU-17日本代表MF椿直起

[5.6 高円宮杯プレミアリーグEAST第5節 横浜FMユース 0-2 鹿島ユース 保土ヶ谷]

 世代屈指のドリブラーがU-17日本代表にとって欠かせない存在になる。横浜F・マリノスユースのU-17日本代表MF椿直起は鹿島ユース戦の後半、止まらない存在に。「後半、自分でやっていても楽しかったし、疲れることも忘れていたというか、ボール欲しくて1回スプリントしても疲れなくて、もっとボールが欲しいという感じだった」というMFは積極的にボールを受けると、縦へのドリブルでDFのマークを外し、そのクロスやサイドチェンジでチャンスをもたらした。

 後半のパフォーマンスが良かっただけに、悔やまれるのは前半の45分間だった。「(チーム全体的に)スイッチ入るのが遅かった。自分も様子見で行ってしまったところがあった」と振り返る前半は、仕掛けよりもパスを選択するシーンばかりに。縦に仕掛けた際もクロスをミスしてしまうなど、相手にとって怖い存在にはなりきることができなかった。

 その前半を0-1で折り返した横浜FMは後半立ち上がりにも失点して0-2。後半中ば以降は良い流れの攻撃から相手を攻め立てていただけに、西谷冬樹監督も、選手達も前半の早い段階から自分達の力をしっかりと出すことを課題に挙げていた。椿自身も「もっと早くから出していきたい」。相手の脅威になっていた後半のようなプレーを前半から続けることを自身に課していた。

 ルーキーだった昨年から注目を集めていたドリブラー。それまで代表歴のなかったMFは昨夏に1学年上の世代のU-17日本代表に選出されて以降、年代別日本代表に立て続けに招集されるようになり、今年はU-17W杯メンバー候補に。2月のスペイン遠征、3月のアメリカ遠征とU-17日本代表メンバーに選出されたが、今月のギニア・UAE遠征メンバーには選ばれず。代表チームのコアメンバーに入ることができていないと感じている。「自分的にはギリギリのところにいると思っているし、だからこそ、プレミアなどチームで結果出さないといけないと思っている」。代表チームの経験はスピード感の部分などで活きている。だからこそ、より結果にこだわっていく。

 代表チームで求められている部分は強みを出すこと、そしてチームとしてやるべきことをしっかりとピッチで発揮すること。「ドリブルが特長で選ばれているんでストロング出すところは求められているんですけど、戦える選手、もっとハードワークする選手にならなければいけない。守備のところ切り替えのところはまだ足りないと思う」。求められているものを常に意識して、横浜FM、代表でアピールする。

 新たな刺激も受けた。今月3日のルヴァン杯甲府戦で初めてトップチームのベンチ入り。「サポーターの応援も雰囲気も全然違いました。でもやれないとは全然思っていないですし、むしろ自分が入ったらやれるのかなという期待というのもありますし、一回出てみたいですね。ピッチで体感したいですし、仕掛けたい」。ユース年代に試合において、最近では1対1で負けそうだな、と感じることがなくなってきたという。その強みはプロや、世界でどのくらい通用するのか興味深いところ。自分の武器を磨いてチャンスを獲得し、得た経験をU-17W杯での活躍に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
●2017 プレミアリーグEAST

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