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[プレミアリーグEAST]1分4敗の厳しいスタート。市立船橋は「3年生が人から変わっていかないと」

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気迫あるプレーを続けていた市立船橋高右SB吉田歩未がスライディングタックル

[5.7 高円宮杯プレミアリーグEAST第5節 市立船橋高 1-3 清水ユース グラスポ]

 開幕5試合を終えて1分4敗で最下位。過去3年のプレミアリーグでいずれも4位以上だった名門・市立船橋高は、参戦4年目で最も苦しいスタートとなっている。

 いずれも1点差負けだった開幕3連敗時も内容は前向き。朝岡隆蔵監督は悲観していなかった。そして第4節の浦和ユース戦は気持ちの入った攻守でドロー。また、この日は前半半ばから主導権を握り、後半4分に先制された直後にも右SB吉田歩未(3年)が「シュート打つ時に気持ち入っているのは分かっていたので振り抜いてやろうと思っていました」と同点ゴールを突き刺す。敵将の平岡宏章監督も「スーパーゴールだった」と評した一撃で同点に追いついたが、首位・清水ユースに勝負どころで競り負けて1-3で敗れた。

 朝岡監督は「キツイというところからが勝負なんですけど、歯を食いしばって走る選手がいない」と首を振っていた。U-16日本代表のMF井上怜、FW西堂久俊(ともに2年)ら間違いなく巧さのあるチームについては指揮官もポテンシャルの高さを常々口にしているが、まだまだパワーが足りない。吉田は「勝ち切れないのはチームのパワーの無さとかが原因。チームにパワーをもたらしていないのは自分達3年生だと思うので、3年生が人から変わっていかないと。自分だけじゃなくてBの3年生もみんなも変わらないと強くならないのかなと思います」と唇を噛んだ。

 1年時にU-16日本代表に選出されている吉田はチームに厳しさを与えられる存在。U-18日本代表の左SB杉山弾斗主将(3年)を支えるDFは、「引いたら出ている意味がない」という言葉通りに、MF今村卓也(3年)とともに身体を張ってチームにパワーをもたらしていたが、結果に結びつけることはできなかった。ここから前回の全国王者として臨む全国総体予選へ向かっていく中、チームは現状を打破するためにまず3年生がしっかりとまとまることが必要だと考えている。

「3年生が一つになれていない。監督もバラバラだ、自己中な選手が多いと。3年生がつくって行くチームだと思うので、3年生が成長して1、2年生が乗っかっていくチームにならないといけない」(吉田)

 吉田は個人的にもMF有田朱里(3年)とポジション争いの最中。守備の部分や球際で身体を張る部分は負けられない武器だと考えているが、ライバルにまだ差をつけることができていない。「有田は前に行く力があってクロスも精度高いですし、自分はきょうも突破していない。攻撃の部分を増やしていかないと今のままじゃ信頼は高められない。守備だけは譲れないので、際とかそこはやりながらもっと攻撃は増やしていきたいです。結局、(去年も)出れていないので、先輩たちに乗っかって2年間過ごしてしまった。気づくのが遅かったですけど、それでもまだ1年やれることはあるので少しずつ変わっていきたいです」
 
 個人として、チームとして変わること。吉田は総体予選、そして6月下旬に再開するプレミアリーグへ向けて「ここで腐ったら終わりなんで、受け入れて次に進んでいくしか無い。(総体の)全国は死ぬ気で勝ち取って、プレミアの6節の時にどう変わっていえるかが勝負だと思う。この5節と同じようにやっていたら崩れちゃうと思うので、チーム一丸でやっていくしかないと思います」。それぞれが持っている危機感。今こそ、より一体感を持って、キツイ時に走るチームとなって、全員でこの危機を乗り越える。

(取材・文 吉田太郎)
●2017 プレミアリーグEAST

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