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レアルが史上初CL連覇へ王手!!アトレティコは猛追2発も及ばず…終了間際に“涙雨”

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勝利を近づけるアウェーゴールを奪ったMFイスコ

[5.10 欧州CL準決勝第2戦 A・マドリー 2-1 R・マドリー]

 UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)は10日、準決勝第2戦を行った。レアル・マドリー(スペイン)は敵地でアトレティコ・マドリー(スペイン)と対戦し、1-2で敗れたが、2試合合計4-2で2シーズン連続の決勝進出。6月3日にウェールズのカーディフで開催される決勝では史上初の連覇を懸け、ユベントス(イタリア)と対戦する。

 2日にサンチャゴ・ベルナベウで行われた第1戦は、ホームのレアルがFWクリスティアーノ・ロナウドのハットトリックで3-0の快勝。2シーズン連続となる決勝進出のためには少なくとも3点以上が必要なアトレティコは、FWフェルナンド・トーレスを公式戦5試合ぶりに先発起用し、FWアントワーヌ・グリーズマンと2トップを組む4-4-2で臨んだ。

 一方、史上初の欧州CL連覇を目指すレアルは、中盤をダイヤモンド型にした4-4-2。アンカーにMFカゼミーロ、その両脇にMFトニ・クロースとMFルカ・モドリッチ、トップ下にMFイスコを置き、C・ロナウドとFWカリム・ベンゼマが2トップを組んだ。

 アトレティコは来季から新スタジアムに移転するため、1966年から使用してきたビセンテ・カルデロンでの欧州カップ戦はこの試合が最後。歴史のあるスタジアムのフィナーレを飾るべく、キックオフと同時にハイプレスをかけてレアルのゴールを襲う。前半5分、MFヤニック・フェレイラ・カラスコが右サイドを突破し、折り返しにニアのMFコケが滑りながら右足で合わせるも、GKケイラー・ナバスのファインセーブに阻まれた。

 レアルも前半7分に右サイドでFKを獲得し、キッカーのクロースが高精度のクロスを送ると、大外から飛び込んだカゼミーロがコケの背中に体を預けるようにしてヘディングシュート。しかし、ゴール右に飛んだボールはGKヤン・オブラクに横っ飛びで弾き出された。

 両チームの守護神が好セーブを見せた立ち上がりの攻防を過ぎ、先にスコアを動かしたのはホームのアトレティコだった。前半12分、コケが右CKから右足でクロスを蹴り込むと、ニアにいたC・ロナウドの手前に入ったMFサウール・ニゲスが頭で合わせる。GKナバスの左手をかすめたボールがゴール右に決まり、2試合合計1-3とした。

 アトレティコの先制ゴールに大きく沸き立つビセンテ・カルデロン。直後の前半15分には、カラスコの縦パスを受けたトーレスがPA内右でDFラファエル・バランに倒され、PKを獲得する。同16分にPKキッカーを務めたグリエーズマンが左足で中央付近にシュートを打ち込むと、GKナバスの右手を弾き、ゴール右に決まった。

 2試合合計2-3と奇跡の逆転が現実味を帯びてきたアトレティコだったが、やられっぱなしで黙っているレアルではなかった。前半42分、左サイドのC・ロナウドからのスローインをベンゼマが深い位置で受ける。3人の相手DFにマークされたベンゼマはゴールライン付近までボールを運ぶと、一瞬の隙を突いて置き去りにし、PA内左からマイナスにパス。クロースが右足のインサイドで叩いたシュートはGKオブラクに阻まれるも、こぼれ球をイスコが押し込み、貴重なアウェーゴールを奪った。

 優位な状況で前半を折り返したレアルは、後半2分にPA左外でFKのチャンス。キッカーを務めたC・ロナウドが角度のない位置から右足で強烈なシュートを放つも、GKオブラクの正面を突いた。勝ち抜けのためにはあと3点が必要になったアトレティコも同5分にPA手前右でFKを獲得。グリエーズマンが左足で直接狙ったが、巻いたシュートが落ち切らずにクロスバーを越えた。

 欧州CL史上初の通算500ゴールにリーチをかけているレアルは、前半よりもアトレティコの守備をかい潜る場面が増える。後半13分には左サイドの高い位置でベンゼマがタメを作り、追い越してきたDFマルセロにパス。マルセロの折り返しにニアのC・ロナウドが左足で合わせるも、うまくミートせず、シュートはゴール左に外れた。

 押され気味のアトレティコも後半21分にビッグチャンス。自陣からのロングボール1本で抜け出したカラスコがPA内左でバランをいなし、右足でシュートを放つ。GKナバスに弾かれ、途中出場のFWケビン・ガメイロがこぼれ球を頭で押し込もうとしたが、これもGKナバスにストップされた。

 とどめを刺したいレアルも後半24分にクロースの左CKからPA手前右のモドリッチが右足でシュートを打ち、ゴール前のC・ロナウドが右足でコースを変えてネットを揺らすも、オフサイドの判定。同29分にはマルセロの左クロスにファーのベンゼマがダイビングヘッドで合わせるが、ゴール右外のサイドネットに当たった。

 時間が経過するにつれて追い込まれていくアトレティコに対し、レアルは落ち着いた試合運びで時計の針を進め、2試合合計4-2のままタイムアップ。ここ4シーズンで3度目のファイナル行きを決めた。2013-14と2015-16シーズンの決勝を含め、レアルとの欧州カップ戦4戦全敗だったアトレティコは、またしてもライバルに敗北。ビセンテ・カルデロンでの欧州カップ戦ラストゲームを飾れず、終了間際に突然起きた豪雨はまさに“涙雨”となってしまった。


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