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高校選抜からU-20代表候補へ“ステップアップ”。住永翔は先にJ入りした2人の仲間と「同じラインに」

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U-20日本代表候補のMF住永翔

 大阪合宿中のU-20日本代表候補(19歳以下で構成)は合宿4日目の12日、午前・午後にそれぞれ約2時間、約1時間30分のトレーニングを行った。U-20代表候補は合宿最終日の13日、U-20W杯に出場するU-20アメリカ代表と練習試合を行う。

 今回、U-20代表候補の大阪合宿には日本高校選抜の欧州遠征(4月)メンバーからMF住永翔(明治大)、MF金子大毅(神奈川大)、MF鳥海芳樹(桐蔭横浜大)、DF杉山弾斗(市立船橋高)、FW安藤瑞季(長崎総合科学大附高)、そしてこの日の午後練習から合流したDF阿部海斗(東福岡高)を合わせて計6選手が選出されている。U-20代表候補の影山雅永監督が欧州でU-20オランダ代表戦やデュッセルドルフ国際ユース大会初戦のマインツ戦を視察。その前で個としてもアピールに成功した選手達がU-20代表候補に“ステップアップ”した。

 前日11日に行われたJFLのFC大阪との練習試合では鳥海と安藤のゴールによって2-1で勝利。また住永と金子は1本目と3本目にそれぞれキャプテンマークを巻いてプレーするなど、それぞれがチームの中で大きな役割、仕事を果たしている。この日、グループでの連係面の向上やシュート練習、そしてフォーメーション練習に取り組んだ彼らは13日の“格上”U-20アメリカ代表戦でも自分の良さを出して勝利に貢献し、今後に繋げるつもりでいる。

 青森山田の主将として昨年度の高円宮杯プレミアリーグと全国高校選手権優勝に貢献した住永は、今回が初の年代別日本代表候補入り。「最初に聞いたのは、明治の栗田さん(監督)からだったんですけど、チャンスをもらったということで正直嬉しかった」というMFは、青森山田時代のチームメートで先にプロ入りし、ともにU-19日本代表歴も持つMF高橋壱晟(千葉)とGK廣末陸(FC東京)に離されずに食らいついていく意気込みでいる。

「高校時代はあの2人とかが山田の中でも常に上に行っていて、SBSカップなどに出ていました。自分としても2人に食らいついて行こうという思いが常に強かったので、個人的にもこういうところへ来て、これから同じラインに並ばないといけないと思っている」

 関係者の住永に対する評価は高い。住永はピッチ外では非常に明るい振る舞いを見せているが、ピッチに立てば青森山田や日本高校選抜同様に周囲に対して非常に高い要求をする。発言したことをしっかりと自身が表現しなければ、チームの雰囲気が悪くなってしまうだろう。また周囲はJリーガーやプロ予備軍の選手達ばかりだが、その中で住永は積極的に発言し、時にミスも犯しながらも、判断やプレースピードの速さ、狙いを持った守備、球際での身体を張ったプレーなど有言実行し続けている。

 青森山田を“日本一元気な軍団”にした住永は、タレント揃うU-20日本代表候補でもリーダー格の一人としてチームを牽引。この日の練習後は大勢の選手を巻き込んでリフティングゲームを実施し、それを影山監督らコーチングスタッフが笑顔で見守る風景があった。その中心にいたのも住永。「元気よくどんどんやって行けるヤツが多い」というチームはトレーニングから声が出る選手が多く、コーチ陣の声に良く呼応しながら取り組んでいる印象だ。

 非常に雰囲気良く4日目のトレーニングを終えたU-20日本代表候補は、13日に合宿の総仕上げとしてU-20アメリカ代表と対戦。住永は「本家のU-20(日本代表、静岡合宿中)がワールドカップへ向けて活動していて、この相手はワールドカップへ行く相手なので、自分達が負けないでやれれば、静岡で合宿しているU-20の方にもいい刺激になると思うし、ワールドカップに出る相手にどれだけできるかというのは自分にとっても凄く大きなものになると思う。試合に出るからには100以上の力を出さないと勝てないと思うけれど、やってみて『速かったな』『強かった』とかだけで終わらないように対応して、この合宿を終われれば。次に繋がるような試合にしたい」。良い経験だけで終わるつもりはない。高い意識を持ってプロ入りを目指す住永は“元気な”チームメート達とともに必ず、今後に繋がる戦いをする。

(取材・文 吉田太郎)

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