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神奈川県大学リーグから東京五輪へ!U-20代表候補初選出の大型FW小松蓮が関係者唸らせる動き

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U-20日本代表候補初選出のFW小松蓮

 U-17北信越トレセンなどに選ばれた実績を持つものの、全国的にはほぼ無名。その大型ストライカーがU-20日本代表候補合宿で存在感を示している。

 183cmの長身FW小松蓮(産業能率大)は前日11日に行われたFC大阪との練習試合で先発出場すると、1タッチのスルーパスによってMF鳥海芳樹(桐蔭横浜大)の先制点をアシスト。前線で強健な動きを見せてボールを収めてパスを繋いでいたほか、1タッチを交えたパス交換にもスムーズに対応するなど関係者達を唸らせるようなプレーを見せた。

「(強みは)ヘディングの部分と1タッチでボール収めて、はたいたり、チャンスに繋がるプレーと、一番はゴールに繋がるプレーですね」というFWは醸し出す雰囲気からも伝わるような「剛」の部分に加えて、柔らかさも随所で発揮してまた評価を高めている。12日のトレーニングで得意の左足から豪快なシュートを連発していたFWは、13日のU-20アメリカ代表戦でのゴールに期待。また、それ以外のプレーもどのくらい世界に通用するのか、興味深いところだ。

 小松は松本山雅FC U-18出身。高校時代には松本のトップチームに2種登録され、U-18チームでは日本クラブユース選手権やJユースカップという全国大会でゴールを決めているが、これまで代表歴はなく、全国的に知られた存在だった訳ではない。

「日によってプレーにムラがある。その差が激しくて、悪い時はとことん悪くて……」などの課題があって松本のトップチームに昇格することが出来なかったと本人は分析している。また、在籍する産業能率大は現在、神奈川県大学リーグに所属しており、関係者の目に触れる機会は非常に少ない。本人も「自分でも理由が全然分からないんですけど」というU-20日本代表候補初選出。それでも、影山雅永監督は以前から彼の情報を得ていて、JFAサイドは彼の高校時代の活躍やポテンシャルなどを認識した上で今回の合宿に招集したのだという。

 そして小松自身も初の代表候補合宿で臆すること無く、自分の良いところを出しているのに加え、チームに求められている部分もしっかりと表現。「上手い」「入っていくところがいい」という賛辞も得ている。多くの高校生、大学生プレーヤーに勇気を与えるような活躍。自分を信じて努力し続けていれば、誰かが見てくれている可能性がある。チャンスで結果を残せばその可能性はさらに広がる。現在、その途中にいる小松がさらにアピールするために求めている結果。「(必要なのは)結果ですね。自分、FWなので得点決めていくことが一番のアピールかなと思います」。13日のU-20アメリカ代表戦で“無名だった”FWは再び活躍して人生を変えるか。

 今回、U-20代表候補合宿に初参加し、Jリーガー達とともにプレーしたことで間違いなく意識、目標は変わった。「日本の代表として選ばれているので色々な人からそうやって見られますし、1試合1試合自覚持ってやっていかないといけないと思います。とにかく今は一つひとつしっかり積み上げていって、4年後しっかりプロに入って、東京オリンピックに出られればいいと思っています」。神奈川県大学リーグでプレーしている現在から20年の東京五輪へ。ポテンシャル十分の大型FWが努力の才能を磨いて、将来を切り開く。

(取材・文 吉田太郎)

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