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筑波大CBを“ぶっちぎった”流経大FWジャーメイン「スピードで勝ちきれると思った」

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頼れる背番号10が待望の今季初ゴール

[5.6 第91回関東大学1部L 流通経済大3-1筑波大 たつのこ]

 待望のゴールだった。流通経済大筑波大に3-1で勝利し、今季初の複数得点で3連勝を飾った。開幕黒星スタートとなったが、取り戻す形で2位まで浮上。3連勝を果たした一戦で、今季初ゴールを含む2得点の活躍をみせたのはFWジャーメイン良(4年=流通経済大柏高)だった。

 前半終了間際、PA内左へ仕掛けるとDF小笠原佳祐(3年=東福岡高)に倒され、PKを獲得。自ら決めて、今季初ゴールが先制点となった。さらに2-0で迎えた後半37分、ハーフウェーライン付近にこぼれたボール。いち早く反応したジャーメインはワンバウンドでボールを押し出し、左足で柔らかくトラップ。DF鈴木大誠(3年=星稜高)を置き去りにスピードに乗ってPA内へ持ち込み、冷静に左足シュートを決めた。

 自らを「ジャメにぶっちぎられた」と表現するCB鈴木大が「単純にボールの落下点を見誤りました。先にボールに触られた瞬間に“あぁ、終わった”と思いました」と語れば、ジャーメイン自身は「得意な形でワンバウンドさせた時点で、自分のスピードで勝ちきれると思った。シュートが決まって良かったです」と胸を張る。チームは終了間際にセットプレーから失点したが、3-1で勝利した。

 試合前から筑波大の小笠原と鈴木大のCBコンビを警戒していた。チームメイトと「あの二人はスペースを消してくるからやり辛いよね」と話していたほど。それでも小笠原との競り合いでPKを奪取し、鈴木大を打ち負かしての追加点。

 流経大の10番は「いつも鈴木大誠と小笠原のCBに早めに引いて抑えられているイメージがあったので、向こうからすれば、仕掛けてくるのが嫌だろうなと思いました。結果、あそこで勝負したからPKも得られたし、先に点を取れたことで、向こうが前に出てきてくれたので自分の2点目も生まれたと思います」と振り返る。

 今季のジャーメインは開幕前から故障を抱えていた。それゆえに開幕戦と第2節はいずれも途中出場。第3節・専修大戦では今季初先発でフル出場するも、初ゴールはお預けだった。それでも先発に戻って迎えた筑波大戦。ようやくゴールネットを揺らした。「最初の1点が取れてホッとしています」と安堵の表情を浮かべ、「今日は本当に自分がやってやるという気持ちを持ってやって、結果が出たので良かったです」と笑顔をみせる。

 流通経済大の中野雄二監督は今季の大学リーグを占っては、流大と筑波大、順天堂大が上位争いを繰り広げると見通している。開幕黒星でのスタートとなったが、3連勝で挽回した。エースFWは「ここまでの3試合で3点しか取れていなかったので、今日は転機になる試合だったかなと思う。このままの勢いでいきたい」と誓った。

(取材・文 片岡涼)

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