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「成長したいと思ってここに来た」U-20代表候補MF黒川淳史がアメリカから先制ゴール

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後半3分、U-20日本代表候補はMF黒川淳史が先制ゴール

[5.13 練習試合 U-20日本代表候補 1-2 U-20アメリカ代表 舞洲]

 世界から奪ったゴールを成長へのきっかけとする。U-20日本代表候補は後半3分、敵陣右サイドでFW小松蓮(産業能率大)がインターセプト。速攻に移ると、FW安部裕葵(鹿島)がPAへ潜り込もうとする。これをサポートしていた左MF黒川淳史(大宮)がこぼれ球を上手く拾って抜け出すと、GKとの1対1から右足シュートをゴール左へ流し込んだ。

「(最初はPAで)パス貰おうとしたんですけど、安部も頑張ってくれていてパスできなくてもこぼれてくると思っていたので(ゴールできて)良かった」。

 それまではなかなか特長を出すことができていなかった。U-20アメリカ代表にボールを握られる展開の中で自身もボールにあまり触ることができず。仕掛けのパスやドリブルを繰り出すシーンはほとんどなかった。

 それでも「後半思い切って前に出て仕掛けようと思った。ボールもらってから前向きで一個仕掛けることでリズムも掴めたりしたのでビビらずにやることができたと思う。自分の中で何か掴めた感じがある」と頷いた。

 大宮アカデミー時代から高い攻撃センスを注目されてきたMF。昨年2月に負った左膝前十字靭帯損傷を乗り越えて同12月にはU-19日本代表アルゼンチン遠征メンバーに選出されるなど、U-20W杯メンバー入りを狙っていた一人だ。今年はトップチームで公式戦デビュー、J1初先発を飾るなどアピールしてきたが、目標を実現することはできなかった。

 それでも「成長したいと思ってここに来た」と黒川は、19歳以下で構成されたU-20日本代表候補合宿に参加。10日に行われたルヴァン杯を欠場してでもU-20日本代表候補合宿で何かを掴みたかった。チームはJ1第10節終了時点で最下位。自身もまだトップチームで活躍できている訳ではない。その中でU-20W杯に出場するアメリカから決めたゴール。黒川は「アルディージャの方で結果出なくて自分も苦しんでたりしたので、このゴールがきっかけになればいい」と力を込めた。

 大宮のために「何とかしたいなという気持ち」が非常に強い。チームのためにも成長してくるという思いで臨んだU-20代表候補合宿で何かを「掴んだ」という手応えがある。この経験をチームに少しでも還元すること。チームの勝利に貢献して、自身もまた年代別代表チームに戻ってくる。

(取材・文 吉田太郎)

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