beacon

前日午後に緊急招集のU-20代表候補CB阿部海大、U-20アメリカ代表を競り合い、1対1で封鎖

このエントリーをはてなブックマークに追加

U-20日本代表候補DF阿部海大(左)

[5.13 練習試合 U-20日本代表候補 1-2 U-20アメリカ代表 舞洲]
 
 前日12日午後に緊急招集されたCBが、U-20アメリカ代表の前に立ちはだかった。U-20日本代表候補DF阿部海大(東福岡高)は「普通に身体当てて勝てていた」と振り返ったように、前半から1対1や競り合いの部分でアメリカの才能達を封鎖。特に前半半ばは相手にボールを支配してゴールに迫られるシーンが続いたが、阿部は中央、サイドで何度も相手の仕掛けをストップしていた。

 2月にU-18日本代表のスペイン遠征を経験。その際に感じた代表レベルのスピードや体格を「忘れないようにしよう」と意識してきた結果、日本高校選抜の一員として出場した4月のデュッセルドルフ国際ユース大会では5試合1失点でベストDF賞に選出される活躍を見せ、今回もアメリカに突破を許さなかった。

 それでもチームは試合終盤に2失点。いずれも右FWのレフティー、ラゴス・クンガに左足で決められたゴールだった。阿部は試合終盤に右SBから左SBへポジションを移した田中康介(立命館大)にそれを伝えること、その特長を気づかせることができなかった点について反省。「声ですよね」とその大切さを再認識していた。

 それでも今回のU-20日本代表候補合宿に同学年のCB橋岡大樹(浦和ユース)やCB中川創(柏U-18)、日本高校選抜でチームメートだったSB杉山弾斗(市立船橋高)、FW安藤瑞季(長崎総合科学大附高)が選出される中で、悔しい気持ちを持っていた阿部は緊急招集にもかかわらず、そのプレーでまた評価を上げた。

 デュッセルドルフ国際ユース大会でのベストDF賞など周囲から高く評価されるプレーを続けることができている。その効果はメンタル面に活きてくると阿部は考えている。「メンタルの部分はプレーに出ますし、弱気で行くと相手も分かるんで。『コイツ、来ないな』とか。相手が嫌がる、取りきる守備しないとチームのリズム作れないので意識しています」。

 U-20日本代表候補は橋岡がU-20W杯日本代表チーム合流のために離脱し、CB立田悠悟(清水)も負傷とCBが不足する状況に陥っていた。そこで緊急招集されたのが、「ある意味余裕があり、強さもあり。順調に成長しているということを確認していた」(影山雅永監督)という阿部。前日12日昼過ぎの昼食中に東福岡の森重潤也監督からコンディション面について問われ、「大丈夫です!」と返答すると、「じゃあ、行って来い」と送り出されたのだという。「嬉しかったです」という阿部は福岡からすぐに移動して16時30分開始のU-20代表候補練習に合流。翌13日13時30分開始のアメリカ戦まで1日足らずの慌ただしい日程だったが、しっかりとアピールし、多くの賞賛する声を受けていた。

 また東福岡に戻って攻撃面でよりチームを安心させられるように努力すること。後半に縦パスを入れられていた部分などを改善することも意識していく。すぐに全国高校総体の福岡県予選がスタート。「県予選はゼロで、決定機を作らせないことを意識したい」というDFが、東福岡で2年間かけて磨いてきた力、そして代表活動で成長を加速させている力を示して、チームを全国へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

TOP