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「遅くなっちゃった」大前元紀が待望の初ゴール!!劇的勝利の大宮は最下位脱出

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劇的勝利を呼び込んだFW大前元紀

[5.12 J1第11節 大宮2-1仙台 NACK]

 待望のゴールが生まれた。大宮アルディージャFW大前元紀が試合終了間際に値千金の決勝点。自身の移籍後ゴールで土壇場で逆転に成功し、「先制されても自分たちのサッカーができた。逆転できて良かった」と笑顔を見せた。

 前半21分にPKの流れから先制点を献上。0-1で前半を折り返すと、後半開始と同時にFWドラガン・ムルジャに代わってピッチに送り込まれた。「まずは同点に追いつかなきゃいけない。どういう状況であれ同点することを意識した」。

 ムルジャとFW江坂任のツートップから、江坂とMF瀬川祐輔のコンビに変更し、大前は左サイドハーフに入った。ボールを保持して左サイドで攻撃の起点となり、鋭い縦パスや精度の高いキックからチャンスメイク。後半16分に右CKからDF山越康平の同点弾を演出すると、1-1で迎えた試合終了間際にドラマが待っていた。

 後半44分、MF岩上祐三からのロングフィードに抜け出すと、巧みなトラップからエリア内に進入。2度の切り返しで冷静にDF平岡康裕を振り切ると、体勢を崩しながらもGKとの1対1から強烈な右足シュートを叩き込んだ。

「最初のタイミングでも1回目の切り返しの時でも打てた。どのタイミングでもシュートが打てる状況の中で、しっかりと相手を見てゴールを決められた」。待ちに待った瞬間に、NACK5スタジアムには地鳴りのような歓声が響いた。

「元気が点を取れて嬉しく思う」と渋谷洋樹監督も安堵の表情。「移籍してからなかなか結果が出なくて、責任を感じているのかなと思っていた」と、ここまで沈黙だった背番号10を慮った。ベテランGK塩田仁史は「苦しい時に途中で出てきてゴールを取ってくれると大きい。そういう存在がいないと今の場所(下位)から抜け出せない」と信頼を寄せた。

 エースの劇的ゴールで今季初の逆転勝利を飾り、“さいたまダービー”に続く2勝目。「今まで勝てていなかったし、個人としても結果を出せていなかった。遅くなっちゃったけど、ここで点をとって勝てたのは僕もそうだし、チームとしても次につながる」。チームは勝ち点を「7」に伸ばして最下位を脱出。新潟と広島を抜いて16位に浮上したが、「状況は何も変わっていない。勝ち続けるしかない」と表情を引き締めた。

(取材・文 佐藤亜希子)
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